時の狭間で

俺の追憶 

2014年08月15日 ナビトモブログ記事
テーマ:創作

甘える事を許されなかった時代
今日を生きる事しか出来なかった時代
涙が零れて叫びをあげても
誰にも届かなかった時代

何時しか俺の中に
どうって事ないさと
打ち消す術を知った

慟哭の嵐が吹き渡っても
俺の心は
何時しかどうって事ないさと
忍耐を養う術すら手に入れた

春の芽吹きの中で
一時を掴み

夏の暑さに渇きを抑え
これでもかと戦い抜いた

秋の寂しさに
俺は一人咽び泣いた

冬の厳しさを
全身で受け止め
生きる事への苦さを知った

努力と忍耐が結ぶ時
原野で咲く一輪の花を愛でた
優しき心根が
何時しか
楔に巻かれた連を解いていく

ほんの少し甘えさせてくれないか
束の間の空間でいい
ほんの少し甘えさせてくれないか

枯れた目から流れる雫は
俺の中で此れまで
味わった事の無い程の情を知った
すまないと詫びながら
俺は突き進む

心の弱さの葛藤は
月日を昇り加速していく
此れでいいんだと
己の信念すら曲げず
言い訳を口にしてたのかも知れない

愛でた花は
愚痴
一つ言わず
咲き誇ろうと水を欲した

俺は気付く事が出来たのだろうか
咲き誇ろうとする花に
潤いを与えて来たのだろうか
花が枯れぬようにと抱きしめただろうか

遅くはない
此れからでいい
原野で見つけた花一輪
俺にしか分からぬ輝きを
今も此れからも
俺は慈しみ伝えて生きたい



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