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鬼談義　

2014年02月03日
テーマ：テーマ無し

立春らしく暖かな一日。

きょうは節分、で
追われた鬼たちが
裏通りの一角に集まっている。


　ああ、豆撒かれて追い出されちまったよ
　
　俺もだよ

　まったくなあ、鬼嫁に追い出されるなんて
　世知辛い世の中になったもんだ

　「鬼嫁」の言葉はあるけれど「鬼夫」はないし
　「鬼婆」はあるけど「鬼爺」もないよな

　女は昔から鬼なんだよ
　
　嫁に来るとき、ツノ隠して来るもんなあ

　鬼は外で福は内だなんて
　鬼嫁が叫んでるんだから
　福も入り辛いわなあ

　前から気になってたんだけど
　亭主が鬼のお面を着けて
　子供たちや嫁に
　豆をぶつけられるのは哀れだよなあ

　鬼嫁が鬼の役をやれば
　お面は要らないし
　亭主も本気で豆を撒くから盛り上がるのに

　それとさあ
　歳の数だけ豆を喰うのもどうかなあ

　年寄りなんか体壊してすぐＰＰだよ

　鬼嫁なんざ、
　ずいぶん少なく誤魔化して食べてるぜ

　まあ、年に一度とはいえ
　今日みたいに暖かければいいけど
　寒い日だったら
　虎皮のパンツ一枚じゃ耐えらんないよ

　明日には戻れるから
　それまで我慢、我慢

　どっかに
　熱い珈琲を飲ませてくれる
　喫茶店かなんかないかなあ

　珈琲豆撒かれたりして…



　

　

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