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秋味　

2013年11月18日
テーマ：テーマ無し

今日も秋晴れの一日。

南風のせいで
暖かい。

昼飯時の駅周辺は
どこへ行っても人でいっぱい。

思わず改札を入ってしまったが
さて
何処へ行こうか。

しばらく
発車時刻表示板を眺めていたら
横須賀線の逗子行きがもうすぐ。

空いている車内の端に座り
腕組みしながら目をつむる。

久し振りに
心地良い眠りが体を包む。



小さな頭をこっちの肩に乗せ
握りしめた手に力を込めて
うつらうつらしている女の想い出は
もう何十年前のことだろう。

寝てる間に
置いて行かれる不安でも
あったのだろうか。

何処へ行くのかも聞かず
何処へ行くのかも言わないのに
寄り添うだけの女は
なんて哀しい生き物だろうと
絡めた指から知った。



若いときは
夢を食べて生きて行かれる
歳をとったら
想い出を食べて生きて行くもんだ、との
先人の言葉が思い出される。

食べきれないほどの想い出は
後悔と切なさの味ばかりがする…

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