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koyampiに迫るロックアウトの恐怖　

2013年05月02日
テーマ：徒然なるままに

ロックアウト　・・・　

合法的な争議行為で、使用者側が工場を閉鎖するもの。
労働者は、工場内に立ち入ることができません。

これが本来の意味ですが、私の学生時代には、違った形のロックアウトがありました。

通っていた学校は、都心のど真ん中。
キャンパスも、正門から入り、裏門から出るまで、数分しかかからない狭さでした。

いえいえ、「キャンパス」などと言ったら、学長が恥ずかしさのあまり、顔を隠しながら退校し、地下鉄に乗って家に帰ってしまったことでしょう。
そのくらいの「空き地」しかありませんでした。

したがって、「蔦の絡まるチャペルで祈りを」捧げたことは一度もありません。
そもそも、ミッション系ではありませんので、多分、学内にはシャベルぐらいしかなかったのではないでしょうか。

私の通っていた頃は、「70年安保」の時代。

色の違うヘルメットをかぶった学生が、石を投げたり、棒で突きっこをしながら、安保粉砕を叫んでいました。

安保条約は、結局、自動継続になってしまい、何も起こらなかったのですが、「安保改定」が間近に迫った学校は、「時代の転換点」を迎える緊張感に包まれていました。
少なくとも、この世に生を受けて20年くらいしか経っていない我々には、そう感じられていたのです。
クラスでも、ストライキが決議されました。

ところが、ストライキを決行する日に登校してみると・・・

すべての門が施錠され、他の入り口のシャッターも下りて、誰も学校に入ることはできませんでした。

これでは、学内で何かが起こることなどありません。
ヘルメット学生が、「学校側が不当にもロックアウトを敢行した」という「アジビラ」を悔しそうに配っていました。

これが私のロックアウトとの最初の出会い。

その後、再び出会うこともなく、これまで生きてまいりました。

まさか、この齢になって、恐怖のロックアウトを経験することになろうとは、誰が予想したことでしょう。

　　　　　※　　　※　　　※　　　※　　　※

体調が、随分回復してきました。

そうすると、不思議なもので、伸びすぎたクスノキやヤツデが気になって仕方がなくなります。

朝食後、ちょっとだけのつもりで、剪定作業を始めました。

妻が、「あれ、ありがとう。でも、無理はしないでね。」と声をかけ、出かけていきます。
「お昼には戻ってくるから。」

妻が出かけた後も、作業に没頭する私。クスノキもヤツデも、長髪からスポーツ刈りに変身し、すっきりとした印象に変わりました。

満足そうにうなずく私。この充実感、達成感、爽快感。

さて、トイレにでも・・・

あああああああああ、なんじゃこりゃあ。

家のドアが施錠されているではありませんか。
私が庭にいることは、妻も分かっていたはず。なのに、なぜ？

何かのお仕置き？　意趣返し？

そうではなく、「家を出るときは鍵をかける」、これが、妻には「良き習慣」として身についているんですね。

すばらしいことですが、植木の剪定作業をしている夫が、鍵や財布を持っている訳がないことには、気が付かなかったんですね。

さあ、困りました。どうしましょう、トイレ。

困ったときの本家？　ご近所？
いやいや、そんなことをしたら、なぜなのかを説明しなければならなくなる。

そうすると、「koyampiの家じゃあよぉ、奥さんが旦那さんを締め出すんだとよぉ。」との噂が数時間のうちに、村中に伝わってしまう可能性があります。

本家もご近所も、そんなことを言いふらすことはしませんが、電信柱の陰から「何か噂になるような話題はないかなあ。」と狙っている輩がいないとは限りません。

困り果てるkoyampi。だんだん切羽詰まってきます。

あ、そうだ。川越（水上）公園のトイレ！

自転車に飛び乗り、一路公園へ。トイレが混んでいたらどうしよう、そんな思いもよぎりますが、まさかねえ。

げげげ！　公園には遠足に来ている児童がいっぱい。まさか、まさか。

案の定、トイレは、児童でいっぱい。万事休す？

池の反対側のトイレが目に入ります。急げや急げ。

ここも満員だったら、koyampiは、神仏に見捨てられた哀れな存在に成り果ててしまったことでしょう。

自転車に鍵をかける時間ももどかしく、トイレへ。

よかったあ、がら空きです。神仏はお見捨てにはなりませんでした。

家に帰り着いても、お昼まではまだまだ時間があります。
仕方がありません。予定になかった他の庭木の剪定などで時間をつぶすことにしました。

それにしても、腕時計をしていないので、時間も分かりません。のどが渇いても、何かを買うお金もありません。携帯も家の中。

鍵一つで、文明と切り離されてしまいました。

仕事を進めるうち、太陽が南中を遂げ、さらに、西へと移動していきました。そろそろ正午は回ったと思われます。

妻は、「お昼には戻る」と言っていました。
ということは、妻は、いつものとおり、「約束の時間＋1時間＝午後1時」には戻ってくるでしょう。

水道水を飲みながら、待つこと暫し。

「ただいまぁ。」

何ごともなかったかのように、妻が帰ってきました。

なぜ私が外にいるのかを説明すると、妻は、「あはは、そりゃあ、ごめんなさい。」と、笑いつつも恐縮しておりました。

こうして、4時間に及ぶロックアウトは、終わりの時を迎えたのでありました。

モッコウバラが最盛期を迎え、青空に映えています。

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  老舗旅館の吊るし柿

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  六日町初積雪

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  主なしとて

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  センダンノの花、妖艶に。

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  玉藻公園、再度の栗林公園

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  直島へ向かいます