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たかが一人、されど一人

読後感「ブラックアウト」マルク・エルスベルグ著 

2012年10月13日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し

オーストリアのコラムニスト(現地ではかなり有名らしい)が日本の311災害(2011年)に触発されて著したパニック小説。友人がブログで紹介して面白そうなので読んでみた。舞台はヨーロッパからアメリカまで及んでいる。但しアメリカ大陸部分は完全な蛇足。思うに、日本の東北地方を襲ったような災害が、ヨーロッパを襲ったと想像し始めて、何処で筆を止めていいか分からなくなってしまったようだ。EUが今年のノーベル平和賞を受賞する事になった。行ったことがないのでイメージし難いが、元々27か国が一つの国になっているようなそうでないような。はっきりしているのは英国は別として地面が繋がっている(英国だってトンネルで繋がって入るらしい)。従って電線が国境を越えて繋がっているらしいことは容易に想像できる。著者が未だ45歳と若く、現役コラムニストと言うこともあり、ITに関する知識で決定的な差があるのだろう。常識と認識して書いているのだと思うが、パソコンやインターネットと電波通信に関する表現で意味が分からない場面が時々出てくる。その上にヨーロッパは広い、土地勘が全くないので、地名が舞台設定の切り替わりになっているのだが、それぞれのポジショニング、関連性についてイメージしにくいのも困る。登場人物も必要以上に多いので、上下巻合計すると約1千頁のボリュームなる。年配の方にはお薦めしにくい。話の発端は津波や地震ではなく、最近我が国でも社会問題になりかかっているハッカーの意図的なハッキングから始まる。しかも仕掛けられる対象がイタリアとスェーデンのスマートグリッド(最近我が国でも導入をという声が高まりつつある電力を最も効率的に消費する仕掛け)、この辺から既に分かり難いかもしれない。ここにメキシコとトルコだったかなネット経由で入り込み、送電所に過負担が悪さがされて一部地域の停電を誘発される。この停電がきっかけでヨーロッパ中の発電所に異常が連鎖して大パニックになるお話。但し、電気や水道のライフラインが止まった時と原発が事故った時の市民の混乱、行政の対応などは東北大災害を報道だけで認識しているのだろう。描写がどうしても甘くなったり、不必要に過大になるのは否めない。事件発生から僅か12日目にハッカーグループが捕まり、メデタシ、メデタシとなるのもやはり実体験が無いので仕方ないのだろう。デジタル化した世の中は便利に違いないが、地震や津波でなくてもとんでもないところに危険が潜んでいることだけは強く印象付けられた。

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