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線香花火　

2012年08月11日
テーマ：テーマ無し

降るぞ、降るぞ、と
予報士に踊らされ
その気になって雨支度。

なあんだ、結局降らずに
蒸し暑いだけの一日。

昼過ぎに
仲間から花火大会のお誘いメールが届く。

この蒸し暑いのに
人ごみの中へ入り
押し合いへし合い、たまや〜、なんて
まっぴらゴメンなので
丁寧にお断り。


ＢＧＭに
石川セリの「八月の濡れた砂」を流しながら
遠い夏の記憶を呼び覚ます。

海辺の小さな民宿で
夕食後の楽しみにと買い求めた
線香花火に火をつける。

縁側に浴衣姿で横座りし
落とした視線が
寂しそうに見えたのは
いまだに解けぬ想い出ひとつ。

ジジジジッと弾ける小さな火花が
その後の恋の行く末だった。

それ以来
線香花火を見るたびに
もの悲しい夏の想い出が蘇る。

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