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ギャラリー詳細

作品名 ベトナムの風に吹かれて 評価 評価評価評価評価(4)
タイトル 続・大人の青春映画
投稿者 パトラッシュ 投稿日 2015/10/09 14:21:02

舞台中央に、松阪慶子さんが立っています。
この人、声が若々しい。
そして、その姿には、華があります。
ベトナムの民族衣装、アオザイを着ていますが、そのせいではありません。
持って生まれたものです。
身体から発する、見えざる光のようなものだと思います。
映画演劇では、演技力もさることながら、
この「華」こそが貴重であり、それは時に、
その俳優自身を輝かせ、周囲を明るくさせたりもするのです。

助演の男優、女優が並び、監督も加わり、音楽家が加わり、
映画について語っています。
いわゆる「楽屋話」であり、これがなかなかに面白いのです。
この映画が、ベトナムを舞台にしているからでしょう。
そこには、私達の知らない、文化があります。
特に言語です。
そして食習慣などもです。

七時に上映開始と聞いていましたが、七時半へと遅れました。
この舞台挨拶があったからです。
トークが終ると、今度は、報道各社の写真撮影がありました。
出演者と監督は、舞台中央に集まり、客席最前列に陣取った、
十数人のカメラマンの、それぞれに目を向け、正視の写真を撮らせるのです。

時間がかかるわけです。
しかし、退屈な時間ではありません。
こんなセレモニーは、滅多に見られるものではありませんから。
そして、舞台に立つのは、何と言っても「華」です。
今をときめく、とは言うますまい。
何せ六十を過ぎた女性です。
しかし、輝いていることに変わりはありません。

 * * *

映画の概要については、先ほどUPされた、吾喰楽さんのレビューをお読み下さい。
実にもう、完璧なまでに、この映画を語り尽くしております。
私が付け加えることは、何一つありません。

一つだけ申し上げたいのは、主人公の老母の痴呆のことです。
今は、認知症と称されるようです。

たった一人の肉親であるからとしても、これをベトナムまで、
連れて行くについては、娘として、大きな不安があったことでしょう。
それでも、連れて行った。
結果は・・・
老母もまた、現地の人々と交わり、その人情を受け、
“病状”はむしろ、改善したようにも見えます。
風土により、人は変わる、変えられる・・・
その一つの例を見たような気が、しないでもありません。

私の知人で、独り身になった老母を、引き取った人がいます。
老母は、住み慣れた東京から、息子一家以外に、
知る人とていない、北陸の地に移住しました。
ほどなく、その認知に異常を来しました。
環境の激変に、老いた頭が、付いて行けなかったのかもしれません。

老いて転居なんか、するもんじゃない。
馴染みのない土地へ、行くもんじゃない。
それ以来、私はそう思っていました。
ところが、この映画では違います。
偶然かもしれません。
特異な例なのかもしれません。
しかし、こちらの老母さんは、見事に人間らしい、
生き生きした表情を取り戻しています。

それが風土によるものなのか。
それとも、周囲の人々の影響なのか。
私にはわかりません。
ともかくも、老母の復調に、他事ながら安堵した次第です。

 * * *

以下は余談です。
私は、この秋、見たい映画が二編ありました。
「僕は坊さん」と「ベトナムの風に吹かれて」です。
どちらも、この私には、ほんの糸のような、細い縁ながら、
つながりがあったのです。

そして偶然ながら、どちらもこのシニアナビの、試写会招待に設定されました。
私が喜び勇んで、この二つに応募したことは、言うまでもありません。
しかし、残念です。
二つとも、見事に落選してしまいました。
「日頃の行いが悪いからよ」
こう言う人も居ます。
実はその通りなのです。
この前も、私は、電車内で置き去りにされていた、
ビニール傘を持ち帰ってしまいました。

しかし、落胆した私を見かねてでしょう、吾喰楽さんが、誘って下さったのです。
「私、当たりました。一緒に行きませんか?」と。
うれしいじゃありませんか。
彼は独身。
ガールフレンドの二人や三人、いや五人や十人、居て不思議はないのですが、
試写会で横に座る人物に、男の私を選んでくれたのです。
涙が出るほどうれしかった・・・とは言いません。
今度、獺祭の二合瓶を送ってやろうか・・・くらいに、喜んだのであります。
(そのうちの一合は、私が飲むつもりですが)

映画を見た後に、吾喰楽氏と、約束したことがあります。
その前段において、実は、憤慨したことがあるのです。
シニアナビの試写会招待については、こんな条件が設けられています。
「メンバーズギャラリーの“レビュー”に映画の感想を投稿して頂ける方」
にも拘らず、これが果たされていない。

毎回、10組あるいは、15組の招待者があるにもかかわらず、
そのレビューを投稿された方は、極めて少ない。
というか、ほとんどない。

「ぼくは坊さん」の映画だってそうです。
私は、招待には洩れたけれど、このレビューを読みたいもんだと、
ずっと期待をしておりました。
招待会は、9月30日でした。
しかし、今に至るまで、ただ一遍のレビューさえ、投稿されていないのです。

当選者の怠慢ではないか。
書く気がないなら、そもそも、応募しなければいいじゃないか。
憤慨したものです。
そこで約束したことは、私達だけでも「書こう」でした。
人は知らず、私達だけでも「信義は果たそう」でした。

それで、吾喰楽さんは、書いてくれたのです。
私も引き下がることは出来ません。
後に続いたというわけです。

レビューと言うより、漫談になってしまいました。
試写会の舞台トークが面白かったものだから、つい私達の、
楽屋裏をお見せしたくなったのです。

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コメント

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さん

前回のギャラリー投稿写真の「ネズミ捕り」に負けず、劣らず
楽しい感想トークでした。

2015/10/09 14:27:54

吾喰楽さん

仰せの通り、周囲の反対を押し切り、母親をベトナムに連れて来た結果、病状が好転したことを、書き洩らしました。
大事なことの一つです。

本当は、パトラッシュさんの後に、投稿したかったのです。
出演者の中で最後に挨拶した、斎藤洋介さんのように、「以下同文」としたかったのです。
でも、舞台挨拶の様子と余談を付け加えたのは、さすが、パトラッシュさんです。

一つ思い出したことがあります。
客席最前列に陣取った十数人のカメラマンの中で、立ち上がって写真を撮る前に、一人だけ後ろの方に頭を下げた人が居ました。
出来そうで、出来ないことだと思います。
「俺たちは仕事だ」と、当然のように振る舞うカメラマンが多いはずです。

2015/10/09 15:23:29

彩々さん

あら、そういうお約束があったのに今まで
どなたも感想を書かれていないのですね。
無料招待をいただいたのなら、義理は果たさないと
行けませんね。

それにしてもパトさんもやっぱり美人さんには贔屓目ですね。
松坂さん「水中花」を歌っていらした方とは思えないほど
膨らんで…’あなたが、ソレ言いますか!?’って言われそうですが(笑)

でも、華やかなオーラを発しておられたのですね。
認知症のお母さん役の女優さんは「シャルウィダンス」の
ダンス教室の大先生役の方ですよね。
私、この方、好きなんです。
封切られたら、観てみたい気になってきました。

2015/10/09 15:25:01

パトラッシュさん

風香さん、
私の文章は、(写真も含めて)いつもずっこけです。
脱線ばかりしております。
少しでも楽しんで頂ければ、作者望外の幸せです。

2015/10/09 21:49:05

パトラッシュさん

吾喰楽さん、
さすがに、細かいところまで、見届けていますね。
足して2で割る、私たちは、これでよろしいのではないでしょうか・・・

2015/10/09 21:50:18

パトラッシュさん

彩々さん、
そうなのです。草村礼子さん、痴呆老人を演じて実に巧みでした。
おそらくは、何処かの施設にでも赴いて、観察をしたのかも・・・

松阪さん、確かに少々膨らんでいましたね。
昔を知っている人は、がっかりかも・・・
でも、同年代の女性に比べると、やはり輝くものがありました。

そうそう、彩々さんも、負けず劣らず、輝いていますよ。
封切されたら、是非ご覧になって下さい。

2015/10/09 21:55:03


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