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蜘蛛巣城 

2024年02月06日 ナビトモブログ記事
テーマ:時代劇

映画ファンの皆さん、おはようございます!

今日の映画紹介は『蜘蛛巣城』。
NHKBSで2024年2月6日(火)13:00〜放送。

★黒澤明監督が、シェークスピアの「マクベス」を、
戦国時代に置き換え、能の様式を取り入れ、
壮大なスケールの映像美で描く傑作。

キャッチフレーズは、
『運命に翻弄される男の悲劇』。

荒涼とした地に城跡がある。
やがて霧が辺りを覆い、その霧が消えると、
時間は過去へと遡り、威風堂々たる城門が出現。
その城の名は蜘蛛巣城。

その主である武将の都築国春(佐々木孝丸)は、
北の館を治めていた藤巻が謀反を起こしたと聞き、
臣下の鷲津武時(三船敏郎)と三木義明(千秋実)を、
その鎮圧へ赴かせる。

激戦の末、二人は藤巻を倒す。
帰路、蜘蛛手の森にかかると稲光が樹々ごしに見え、
道がわからなくなる。

やがて狭い空き地へ出ると、
そこには糸車を回す異様な老婆(浪花千栄子)が、
座っていて、2人に予言を告げる。

”武時は間もなく北の館の主、
続いて蜘蛛巣城の城主となる。
そして義明は一の砦を治め、
その子が蜘蛛巣城の城主となる”と。

武時から一部始終を聞いた妻の浅茅(山田五十鈴)は、
老婆の予言を国春が知れば、こちらが危ないと、
謀反をそそのかす、武時の心は揺れ動く。

世界の名だたる監督に、
”動は、クロサワ。静は、オズ。”と言わせたように、
黒沢監督の本作は、本来の「動」に加えて「静」と言うべき、
能の様式美を取り入れ、CGが無い時代なので、
グラデーションのモノクロ映像で、
この世のものとは思えない世界を見事に創りあげていますね。

三船敏郎は権力に執着していく武時を迫力で演じ、
とりわけ表情そして、大きく見開いた目が印象に残ります。

特に、クライマックスのラストシーン!
雨あられと降り注ぐ矢の中で、武時が全身針鼠のようになり、
ぎょろ目で、最後に首を貫かれるシーンは迫力満点。

迫力があるのも当然、このシーンは実際に三船や、
その周囲めがけて本物の矢を射って撮影されたもの。

三船は後年になって、矢が飛んできたときの気持ちを、
「この時は怖かった。『後でぶっ殺すぞ』と思ったよ。
震えながら逃げ回ったけどね」と語っている。

又、山田五十鈴が演じる浅茅の演技も、
静と動を連動させた演技で、ほれぼれしてしまいます。
浅茅が発狂し、手を「血が取れぬ」と、
洗い続けるシーンは、まるでホラー映画。

老婆は武時へ予言する、
「蜘蛛手の森が城に寄せて来ぬ限り、
貴方様は戦に敗れることはない」と。
さて、森は動くのか?

製作年は1957年(昭和32年)。



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