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筆さんぽ
チョコレートこれほど気品高いとは
2024年01月24日
テーマ:筆さんぽ
チョコレート これほど気品高いとは
久しぶりに、知人と横浜のレストランでランチをいただいた。
ゆったりとした空間で、ウエイトレスさんの対応もさわやかで、ハウス赤ワインも格別であった。
自家製の焼きたてパンも香ばしく、一品、一品それぞれみごとで、いうことになった。
それにしても、食後に、アイスクリームにチョコレートをたっぷりかけたデザートを出され、そのチョコレートをなにげなくしゃくってみておどろかされた。
ぼくは酒には、耽溺してきたけれど、甘いもの、とくに「洋物」には関心がないので、経験も知識もない。
舌にのったその一匙の溶きたて、できたてのチョコレートには貴重な香りがあり、味には陰翳ゆたかな、奥深い、ほろにがい円熟があり、思わずうなった。
チョコレートがこれほど気品高い、微妙な響きを含んだものであるとは知らないことであった。
19世紀の名作のあちらこちら、とりわけロシア文学の名作のあちらこちらにどうしてあれほど「ショコラ」を飲むことが熱心に書かれたのかがようやく、それとなくおしえられたような気がした。
会計のときに、聞いてもらうと、あのベルギーのGチョコレートだという。
女性からはよく聞くチョコレートである。
『ショコラ』というアメリカ映画があった。
チョコレートの効能を広めるため世界中を旅していて、舞台になる村でもチョコレート店を開店する。
このなかで、『トリコロール/青の愛』のジュリエット・ビノシュが演じる母親のセリフが気になった。
人間の価値とは何を禁じるかで決まらない。それに、何を拒否し拒み排除するかでもない。
そうではなくて、何を受け入れるか、何を創造し、何を歓迎するかできまるのではないだろうか。
こんなことを思いながら、これを書いている。
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