Polyglotに憧れて

バフェットの慧眼 

2022年06月04日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し


ウォーレンバフェットは世界で最も有名な投資家と言っても良いでしょうし、私も敬服している人なのですが、その投資対象は基本的には米国の株式です。ところが、バフェットが2020年8月に日本の5大商社へ投資しました。当時、かなり話題になり、私も当ブログで自分の考えを記載したりしました。実は私はそれより随分以前にわずかながら丸紅の株を購入していたのですが、長い間低迷しており、もう売却しようかと考えていたところでした。バフェットが購入したという新聞記事を読んで、どうしてバフェットが日本の商社株など購入したのか、よく分かりませんでしたが、まあバフェットが買ったというのなら、私も売却せずに、もう少し様子を見ようか、と思ってそのまま保有していました。ちなみに、2020年8月当時の丸紅は580円前後でした。 その後、世界経済はコロナウイルスの流行に翻弄されますが、コロナ禍の終了を見据えて経済活動が活発化し、物不足からインフレへと向かいます。特に原油などの資源価格が高騰しました。日本の大手商社は資源の権益を保有しているので、直近の決算はどこも良い内容となり、株価は上昇しました。ちなみに、昨日の丸紅の終値は1,384円でした。バフェットが購入してから2倍以上になっています。私もわずかですがバフェットの恩恵を受けました。 それでは、バフェットが日本の商社株を購入したのは、資源価格の高騰を予想し、商社株が恩恵を受けると思ったからでしょうか?その可能性はありますが、私は他にも理由があるのではないか、と考えています。バフェットは、数年先の相場動向だけでなく、もっと先のことまで考慮して購入を決めたのではないだろうか、と思うのです。 バフェットは、気に入った株を何十年と保有する、超長期保有の投資家として知られています。短期的な相場動向で投資先を決めるようなタイプではありません。これまで米国の株式に注力し、日本の株式など目もくれなかったのに、どうして今頃になって日本の商社株に投資したのでしょうか。日本は少子高齢化社会で低成長が続いています。先進国の中でも所得の伸びが低いと批判されている国です。将来性があるようには思えません。果たして日本の商社株はバフェットの期待に応えるだけの、将来にわたる成長力があるのでしょうか。 最近、三菱商事が洋上風力発電の3海域の公募において、すべて勝利したというニュースが話題になりました。政府の上限(1kwあたり29円)を大きく下回る、11.99〜16.49円で入札したとのことです。その他の事業者は20円台を提示しており、三菱商事の圧勝だったそうです。 洋上風力発電は日本の再生可能エネルギーの中で切り札とも言われる、政府の肝入りの政策です。本気で脱炭素を目指すならば、どうしても必要な事業です。日本は島国とはいえ、遠浅の海域が少なく、洋上風力発電は技術的に困難だとも言われています。それが、三菱商事の提示した安い価格で発電可能となれば、洋上風力発電は火力と比べても価格競争力があり、化石燃料への依存度を下げられます。また電力の自給自足が可能となるかもしれません。 上記の三菱商事の例だけでなく、日本の大手商社はどこも環境問題に対して真剣に取り組んでいます。ホームページを参照すると、サステナビリティのウエブサイトが用意されており、ESGレポートが作成されています。その内容を見ると、本気で取り組んでいることがわかります。従来商社というと、石油や石炭など化石燃料の資源確保に熱心で、どちらかというとESGに反するような行動をとっている会社、という印象が強いと思います。しかしそのイメージは過去のものであり、今や大きく舵を切ってESGの方向へ進んでいるように思えます。日本の大手商社は資本力も人材も豊富であり、世界中に情報ネットワークを持っています。それが本気で環境問題や社会問題の解決に取り組むならば、きっと成果を上げることでしょう。これまでESGに遅れていたとするならば、それだけ改善の余地があり、成長の可能性が大きいことになります。 バフェットがESGという観点において日本の商社に魅力と成長性を感じて投資したのならば、商社の奮闘に、大いに期待したいところです。確かにバブル崩壊以後日本の経済は元気がなくて、将来に期待を持ちずらい状況が続いてきました。しかし、環境問題や社会問題の解決といった分野で日本企業が貢献し、同時に日本経済が発展、成長していければ、これはとても望ましいことではないでしょうか。私も丸紅の株を保有しつつ今後の商社の活躍に期待して、その動向を見守りたいと思います。     

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