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カシアス

都会の雀と田舎の白鳥 

2022年01月21日 ナビトモブログ記事
テーマ:テーマ無し

 8年前、冬の日記です。

 1.ベランダの雀
 我住まいは日本橋人形町のマンション、
リビングルームの南面に幅広のベランダがある。
コンクリートの床では風情が無いので、
数個のプランターを置き、四季の草花を楽しんでいるが、
厳冬の今は花枯れ、些か寂しい。

 で、小鳥を呼ぼうと、手摺や床に米粒を置いていると、
数日後、雀が2羽で毎日やって来るようになった。
雀は常に団体行動かと思いきや、
我が家に来る雀は、意外にも夫婦で行動しているようだ。

 最初は一羽(夫?)が手すりか物干し竿に来て、
首を細かく左右に廻して外の様子をうかがう。
胸の茶と白の模様で、いつもの雀だと分かる。
やがて2羽目(妻?)が来て同じように頸を左右に廻す。
カラスでも警戒しているのだろうか。

 暫し安全を確認した後、プランターの土の上に降りる。
プランターには食べ物はないが、
いつも口ばしで突っついているから何かあるのかもしれない、
あるいは、都会に珍しい土の感触を楽しんでいるのだろうか。
履き出しのガラス戸の足元で、
2羽がこまめに体を動かす様は、なかなか愛らしい。

 2.猪苗代湖の白鳥
 マンションのベランダに来る雀も可愛いが、
毎日同じ夫妻の同じ行動で、やや物足りない。
で、白鳥と戯れようと、猪苗代湖に行ってきた。
猪苗代湖には3千羽の白鳥が飛来しているらしいが、
広い湖なので一箇所で会える白鳥はそれほど多くはない。

 先週金曜の昼前、磐越西線の猪苗代駅からタクシーに乗り、
白鳥の飛来地の一つ、志田浜に向った。
浜沿いに一件のホテルがあり、
1階で売店兼食堂を営業している。
裏が浜になっており、数十羽の白鳥が浜にあがって戯れている。
周りの鴨の方が数は多いが、存在感は白鳥が圧倒している。

 食堂で冷酒を呑み、天ぷら蕎麦を食べ、
まったりと湖を眺める。
風が無く、群青の湖面からあがる水蒸気が白い靄となって漂い、
湖面の向こうを隠している。
靄の上空は雲ひとつ無い鮮やかな青空だ。

 冷酒の後は、白鳥へ餌やりだ。
裏口にパンのみみを入れた袋が置いてあり、
白鳥の餌だとのこと。
浜に出て、餌を投げると、白鳥と鴨が争って食べる。
長めの餌を持って湖面に突き出すと、
白鳥が長い首を此方に突き出して素早く手からとって食べる。
見るからにおっかなびっくりだが、
背に腹は変えられないらしい。

 頭までの高さが1メートル弱とやや小さめだから、
コハクチョウだろう。
首の色や目の下の黄色が一羽一羽微妙に違い、
それなりに表情も違う・・・気がする。
灰色の産毛の子供を散見するが、体の大きさは変らない。
何となく夫婦では、と思しきペア(?)もいるが、
どうだろうか。
時々、大人同士が何かを争い、羽を広げて音を立てる。
男女をめぐる争いであろうか。

 白鳥と戯れている間に、湖面の霞が晴れて、
向うの山々がくっきりと見え出した。
浜には餌を投げる人と写真を撮る人が、数人いるだけで、
金曜日とは言え、観光地には程遠い。



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