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山田朗著「天皇と戦争責任」を吉田裕氏が書評 

2019年11月10日 外部ブログ記事
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今朝のしんぶん赤旗読書欄に、山田朗明治大学教授の新刊「日本の戦争?:天皇と戦争責任」を一橋大学特任教授吉田裕氏が書評を書かれている。早速購入したい。

>文字起こし<
??昭和天皇の戦争責任を天皇制の中における天皇の位置、「大元帥」としての作戦指導の実態、天皇と植民地の関係、天皇個人の思想や資質といった幅広い視角から論じた著作であり、著者の昭和天皇研究の核心部分が平明な文章で叙述されている。
?私の関心に引き付けすぎるかもしれないが、特に次の点から大きな示唆を受けた。明治憲法の問題では、憲法上天皇は責任を負わないとする君主無答責論が、明治憲法の拡大解釈であると指摘していることである。中でも西欧の君主国の憲法との比較には説得力がある。作戦指導の問題では、天皇は自軍の受けた損害に関してはほぼ正確な情報を把握していた一方で、連合軍に与えた損害に関しては誇大な報告を受けていたことを、史料が残されている海軍を中心に、克明に明らかにしている。連合艦隊も大本営海軍部も、現地部隊から上がってくる報告を鵜呑みにするだけで十分な戦果判定をしなかったことの結果だが、天皇と軍首脳部が不正確な情報に基づき作戦を指導していたことを示してもいよう。何ともお寒い戦争の現実である。
?宮内庁が編纂した『昭和天皇実録』の批判的検討という点でも本書の分析は興味深い。著者によれば、重要国策を決定する大本営政府連絡会議や御前会議に関する.『実録』の記述には、決定の内容を全く紹介しない、要約という形で紹介する場合でも要約の仕方が一面的である、天皇の裁可(承認)を受けているにも関わらず天皇に上奏した事実しか記述しない、といった特徴がみられる。つまり、天皇の戦争責任に関わる事柄はできるだけ曖昧に記述しているのである。ただし、著者は『実録』により新たに大本営御前会議の開催日時等が明らかになったことは、今後の研究の手掛かりになるとする。大本営御前会議の実態や大本営連絡会議・御前会議と天皇や閣議との関係は未開拓の研究分野である。著者の研究の一層の発展に期待したい。

(了)

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