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葵から菊へ
「世田谷区平和マップ」の発行に関する陳情
2019年08月07日
テーマ:テーマ無し
管理人は、保坂世田谷区長宛の陳情書を郵送しました。
・・・・・・・・・・・
世田谷区長保坂展人殿
2019年8月6日
長谷川順一
「世田谷区平和マップ」の発行に関する陳情
陳情の要旨
「世田谷区平和マップ」を発行して下さい。
陳情の理由
世田谷区は、「平和都市宣言」以来「平和の灯」、「平和の祈り像」、「戦没学生記念像きけわだつみ」、「平和資料館」等と、平和事業を積極的に推進してきました。
現在、区制90周年の2022年に向けた新たな区史が編さん中ですが、これを機会に「世田谷区平和マップ」を発行して下さい。
「区史編さんだより」創刊号では、戦前の軍事施設などの跡地を紹介しています。
『明治の初めから駒場野は軍隊の野外演習の場所としてしばしば使用されていました。明治中頃からは、丸ノ内のオフィス街化に伴い、大山街道(現・国道246号)に沿った青山・渋谷・目黒方面に軍事施設が移され、駒場野も兵営の移転先となりました。これにより、世田谷の東部地域(現在の代沢・池尻・三宿・太子堂・下馬等)には、明治24(1891)年の騎兵第1大隊を手始めにさまざまな軍事施設が設置され、さながら軍隊の町とでもいうべき景観を呈するようになりました。』
区教育委員会生涯学習・地域学校連携課文化財係は、玉川神社地下壕跡、大蔵大規模防空壕跡等の調査をはじめ、「世田谷区文化財調査報告集26旧近衛輜重兵大隊営内射撃場の調査報告ならびに復原的考察」等の軍事施設調査を行った学術的蓄積もあります。
更には、2017年10月に世田谷区郷土資料館で開催された特別展「地図でみる世田谷区」の図録には、『江戸時代の世田谷地域は純然たる農村地帯であり、丘陵地帯には雑木林と畑地が広がっていました。畑地では雑穀や疏菜類が栽培され、江戸に住む人々に供給されてきました。疏菜類の栽培には大量の肥料が必要なため、農家は江戸市中の市場へ野菜を運び、その帰りには肥料となる下肥を持ち帰ったのです。この関係は明治に入っても変わらず、世田谷地域は都市近郊農村の姿を留めていました。
近代国家が成立し政治・経済が東京に一極集中すると、東京の膨張が始まります。この膨張は郊外へ広がり、世田谷地域も都市化の波に飲み込まれることになります。明治中期以降、市中にあって手狭になった軍事施設や学校が広い敷地を求めて移転してきました。そして、関東大震災や鉄道の敷設・第二次世界大戦を契機として、人々が郊外へ移り住むようになったのです。人口が増えると疏菜類の需要も増えることになりましたが、次第に世田谷地域は宅地造成のために農地が減少しました。そして、疏菜類の供給はさらに郊外へと移ることになり、世田谷地域は農村から住宅地へと変貌していきました。
本展覧会は、このような時代変遷を、明治から昭和20年代までの地図によって捉え直そうとする企画です。今回の展示が皆様の地域文化に対する関心をより一層深めていただく一助となれば幸甚に存じます。』と記述があり、「世田谷の軍事施設」、「大正10年特別大演習」、「地図でみる戦争」、「戦時改描図」まで研究・調査がなされていることが分かります。
よって、世田谷区が「平和マップ」を作成・発行することは容易いことだと考えています。
東京23区では、千代田区、新宿区、豊島区、北区が「平和マップ」を発行しています。
2015年11月9日午前10から開会された区議会区民生活常任委員会で、岡本のぶ子、桃野よしふみ、石川ナオミ、上島よしもり、山口ひろひさ、平塚敬二、藤井まな、桜井稔、あべ力也、高岡じゅん子、同月12日には文教常任委員会石川征男、三井みほ子、加藤たいき、もろこし養一、福田たえ美、風間ゆたか、たかじょう訓子、上川あや、そのべせいや、青空こうじの各区議会議員に「新宿区平和マップ」を配布させて頂きました。
区民生活委員会では、「世田谷区でも発行をしたらいいね」との発言もありましたが、事実上、「世田谷区もこれと同じものを発行して下さい」と、言外に区議会に要望したことになりました。
区議会区民生活常任委員会では、陳情審査中に陳情賛同者として、下記の発言を致しましたので、参考資料と致します。
<発言要旨>
東京23区と三多摩も含め、東京都内に初めて平和問題専門の独立施設が設立されたことに高い評価と敬意を表しますと共に、この実現にご尽力頂いた区議会の諸先生に心から御礼を申し上げます。
早速、平和資料館を見学いたしました。1995年、区立玉川小学校内に「せたがや平和資料室」を開設以来、職員の方々が手作りした展示パネルや重要な収集史資料が、所狭しと並べられていました。とりわけ区民からの寄贈品である「予科練」の制服は、旧海軍関係の資料館にも存在しないような新品同様の貴重品でした。
去る8月25日付区のおしらせ「せたがや」に保坂展人区長はエッセー「馬の魅力を伝える馬事公苑」を掲載されました。
その中に『馬事公苑は、1940年に開苑しています。この年に開催予定で戦争の激化により返上された「幻の東京オリンピック」の会場としての使用も計画されていたそうです。戦時中には輓馬部隊が置かれ、戦後の1964年のオリンピックの時に改めて馬術競技の会場となりました。』と書かれましたので、青年時代も、家族らも何度も訪れている馬事公苑にそんな歴史があったのかとビックリいたしました。
馬事公苑から、日本競馬会へ、そして横浜市根岸にあります「馬の博物館」に電話をしてやっと「輓馬機動隊」の沿革が分かりました。松原二丁目専修大学馬術部厩舎に「松原隊」があったという記録がありましたので、専修大学から大学史の一部を送付して貰いました。新宿区議会議長故下村得治先生が馬術部主将としての談話がありましたので、新宿区議会議長下村治生先生に、御尊父のことが載っていると、コピーを差し上げましたところ「父の専大馬術部時代の記録をお送り下さいまして誠に有り難うございました。お陰様で生前故人がオリンピックに関連して話をしていた事など頭の中で整理が出来、家族として嬉しく思いました。」とのお葉書を頂戴いたしました。
今から15年前に「新宿戦争遺跡平和マップ」を企画・制作をし、5年前に新宿区が「新宿区平和マップ」を発行してくれた体験から、「世田谷区平和マップ」を企画・制作をして、9月17・18日の烏山区民センター文化祭に出展をいたしました。
当区は、古代の歴史から、鎌倉時代、江戸時代、近・現代史の豊富な歴史遺産が存在します。但し、近・現代史における戦争「遺跡」「遺構」「遺物」の調査と保存並びに公開が不足しているように「世田谷区平和マップ」の作成過程から感じておりました。
昭和女子大学堀内正昭先生の講演も拝聴しましたが、このような専門家のご協力を得るためにも、「平和資料館展示内容等検討委員会」(仮称)を設置して頂くことが肝要かと存じます。同時に人権・男女共同参画担当課に、学芸員資格のある平和資料館担当係を配属することなど、より一層充実した職員体制にして下さい。
また、「世田谷区近・現代史」に記述されている戦争と平和関連事案とその後、区が把握している「空襲被災地」「米軍機墜落被災地」「被災樹木」「高射砲陣地等の軍事施設」「軍需工場」「高級軍人自宅」に「説明案内板」を設置して頂くことによって、区民自主グループのフィールドワークや小・中学校の校外学習に役立つと考えております。
最後となりましたが、議題に供されております、当陳情をご審査の上、採択されんことを心からお願いを申し上げて、陳情賛同者としての発言を終わります。
ご清聴有り難うございました。
<終わり>
以上
尚、文書によるご回答をお願い致します。
・・・・・・・・・・・
管理人が、新宿区白地図に軍事施設を赤色でマーキングした初期の「新宿区平和マップ」(2000年8月)
「新宿区平和マップ」区立小中学校全生徒に配布している
管理人が、世田谷区白地図でつくった「世田谷区平和マップ」
写真版
(続く)
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