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雑感日記
昭和52年(1977)43歳 世界の開発途上国を飛び回っていた
2011年05月20日
テーマ:テーマ無し
★ 世の中がどんな年であったのか?
殆ど覚えていないと言うよりも、全く記憶にないような年であった。
会社の業務が95%ほどの年だったのだと思う。
前年度に、カワサキの二輪事業の新しい市場、小型車の分野の開拓に、東南アジアを中心とした新組織『市場開発プロジェクト室』を提言して、結局自分で企画を飛び出す事になってしまった。。
前年度末に、初めてタイに長期出張して、タイの現地資本との合弁販売会社GKMを立ち上げる目途までは何とかこぎ着けたのだが、
『市場開発プロジェクト室』の担当地域は、広く世界に分散していて、タイだけに関わっているわけにもいかず、この年は年中あちこちと走りまわっていた印象である。
★振り返って調べてみたら、
2月から3月末までの2ヶ月は、タイのバンコックを拠点に、『タイプロジェクト』の具体的な進行と同時に、マレーシア、フィリッピンの手伝いにタイから、現地に向かっているし、
8月には再びタイから、ナイジェリアへ出かけているが、その資本元を訪ねて英国マンチェスターにも出かけている。
そして12月には、インドネシアの新しい提携先との協議に、それぞれ解決しなければならぬ命題を持った出張だったので、気の休まることなど殆どなかったのである。
そして、7月には、『市場開発プロジェクト室』から、従来の営業部門と一緒になって高橋鉄郎さんが担当されることになり、その管理部門を担当することになったのである。
管理部と言っても、従来のヨーロッパ営業部長は佐野さんが担当されていたので、『市場開発プロジェクト室』は名前は消えたが殆どそのままの機能を引き継ぎ、営業部の管理的な面をお手伝いするような、そんな組織であった。
7月末には36ページからなる長期計画の骨子を策定している。
この標題を見ると、単車事業部となっているので、発動機事業本部の中に、単車事業部が組織されたのだと思う。
翌年春、さらに大きく組織変更されるのである。
これがその表紙で、基本目標は次の通り書いている。
35年ほど前の話だが、
今やっている NPO法人 The Good Times の基本コンセプトと殆ど変っていない。 人の考えなど何時まで経ってもそう変わらないものである。
この当時の長高橋鉄郎さんは、理念コンセプトに非常に関心がおありだった、そんな関係で今のNPOの相談役もお願いしているのである。
★こんな計画を策定する傍ら世界を飛び回っていたのだが、海外出張も慣れているわけではないし、録に英語も喋れなかったのに、無鉄砲に殆ど単独行動だったのである。
● タイのホテルでは着いた当日、チェックの盗難にあい、これは直ぐ再発行してくれたが、そのチェックをまた今度はフィリッピンで紛失して、2度目だということで、再発行が大変だった。
● タイの合弁会社のビジネスプランの文章は当然英文なのだが、自信がないので英語の達者な女性秘書を時間契約して文章を造り上げた。日本で言うアフターサービスをそのまま書いていたら、『Service after sales』と直してくれたのを妙に覚えている。
● タイ廻りでロンドンに入国したら、麻薬でも持ち込んだのかと思われたのか、バックをひっくり返しての1時間余り綿密な検査を受けた。
● ロンドンからナイジェリアに行くのに、ヒースロー空港に行ったら、飛行機の便が見つからない。 ナイジェリアにはガトウイック空港から飛行機は飛ぶのである。ロンドンに二つも空港があるなど思いもしなかったのである。
● ナイジェリアのレゴスの渋滞はものすごかった。 余り込むのでナンバープレートの奇数、偶数で1日ごと分けられているのだが、それでもダメなのである。
●ナイジェリアの休日テニスなどしたら、ボールボーイがついてボールを拾ってくれるのである。一流選手のテニスの光景と同じなのだが、間違いなく私よりボールボーイの運動になったようなテニスであった。
●ナイジェリアは子供たちであふれていた。『子供は何人?』『二人』と答えると、奇妙な顔をされた。 どうも、『避妊の術』が解らなかったようである。
●マナリィアの予防注射が要った時代である。 蚊を見ると気持ち悪かったが、そのうち気にならなくなった。
● レゴスの空港には、当時出発便の表示が出ない。 放送だけなのである。日本人はいないし、心細いことこの上なかった。
● インドネシアの夜店で飯を食ったら、スプーンもない、手で食うのである。 へ―と思ったら、『日本人も寿司は手で食うと言われたりした。
独り旅は気軽でいいが、いろいろとあるものだ。 でも、一般の海外出張のように案内役がついて、その言う通りにしか行動できないのも、またもう一つだなと思っている。
● 幾らかゆっくりできたのは、英国で当時は故内田社長の時代で、元国内の仲間だからいろいろ面倒見て頂いた。 家にも招んで頂いたし、『シルバーストーンのレース場』でイングランドGPを見せて頂いた。『シルバーストーン』行ったことあるよと言えるのである。 当時ケン鈴木さん既におられたのかどうか?
★私だけではなくて、みんなそれぞれ世界を飛び回っていた。
小池くんはタイに駐在することになり、5月には耕守君もタイに、故岩崎くんがイランに、石井さん、久後君などもインドネシアにとそれぞれ展開することになったのである。
当時、イランには工場があって現地には佐伯武彦さん(後川重副社長)が単身赴任していたのである。 藤浦さんもこのグループの技術担当で一緒だった。
こんなグループの後押しをして頂いたのが、企画室長の堀川さん、
田崎さん(後川重社長)は、岩崎くんと一緒にアメリカ市場担当だったのだが、この時期まだ企画だったのか? インドネシア問題や、部品問題など、いろいろと関係は深かった。
多分、この翌年だったと思うが、アメリカのダンピング問題を担当して、営業の方に移ってきて、また一緒に仕事することになるのである。
兎に角、めまぐるしく事業部の組織が動いた時期だったのである。
★この年の日記、1日おきに英文と日本文交互に書いている。 何としても英語をモノにしようと思っていた。
でも、結局英語は話せても、『ヒヤリング』が何時まで経ってもダメだった。
そんなこともあって、この年の日記、殆ど家のことなど触れていないが、
9月に祖母が亡くなった。102歳、当時では珍しかった。戦災で娘(叔母)をなくし、息子たち(伯父、父)にも先立たれて、独り長生きではあったが、どう思っていたのだろう。多くは、喋らぬ祖母ではあった。
後は息子のサッカーぐらい。 この年も緑が丘中は、兵庫県大会で大久保中を1−0で破って優勝している。 こちらは11月23日の記述である。
そんな中で、11月29日の天声人語
『総理も、日本のいろんな種類のトップも、なるのは難しいが、なってしまえば誰にでも出来る』 などと書かれていて
大いに共感したのか、そんなことを記録している。
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