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<心に成功の炎を>62 

2018年06月18日 ナビトモブログ記事
テーマ:中村天風<心に成功の炎を>

 次は視覚。この作用は五官感覚の中でもっとも大切なもので その力と働きの及ぶ範囲は他の感覚作用よりもはるかに大きなものなんです。要約すれば 心の知覚作用を向上させるのに一番重要なものなんです。
 視覚作用自身を具体的に修練する方法としては たとえば まず後ろ向きに座って 他の人に十数個の品物を どんなものでもいいから 雑然と不規則に散在させてもらい<よしっ>のかけ声とともにふりかえってその品物を一瞥するとすばやくまた後ろ向きにもどって 目に見たそのままの品を何と何というふうに言い当てる。
 もちろんこれも最初の間は並べられた品のほんの一部しか視覚が捕えられないに違いないが 修練するにしたがって その全部を完全に眼底に明瞭に映しえるようになってくる。要は 迂闊に一切のものを見ないという心がけを習慣づけてしまえばいい。
 私が軍事探偵している時分 満州や蒙古の山奥で電気もガスもランプもありゃしません。慣れというものはおそろしいもので 真っ暗闇でも目が見えるようになるんですな。
 ですから 今でも パッと電灯が消えると みんなは<あ 真っ暗だ 真っ暗だ>とやっているときにヒョイと目をつぶって ヒョイと目をあけると おかげさまで昔とった杵柄<マッチ そこにあるじゃないか>という具合に これだけはまあたいへん便利を得てますが。
 それから聴覚だが これも正しい方法で訓練すると 非常にその能力を向上させることができる。現に音楽家のごときは とくにこの感覚作用が微妙に発達しているでしょ。
 修練の方法としては たとえば時計をかろうじて音が聞こえるぐらいに耳から離して その音を注意深く聞き取る方法。あるいは電車の中で人々が話す言葉の中で一番聞き取りにくいような小声の会話だけを耳に入れる努力をするようなことも そうとう効果がある。
 要するに 聞き取りにくいものを容易に聞き取りうるようにするのがこの修練の目的であります。これ以外の方法は あなた方で工夫されて結構なんです。
 そして 以上の三感覚作用を修練していけば 他の臭覚や味覚の作用も 特別に修練せずとも だんだんと その側面的誘導を受けて優秀になるのです。
 今日はあまり時間がないので手短に話したが 詳しくは<研心抄>(天風会刊・中村天風著)の75ページ以下を見てごらん。微から細にわたって書いてあるからね。そして このとおりのことを あなた方一生懸命やってごらんなさい。

 それとすでに教わった<精神内容の浄化と整理> そして <神経系統に対する鼓舞的な方法>をやれば 自然と人間の感覚器官の本然の力がでてくるんだ。たいていの人は本然の力がでてきませんよ。ただ 現在あるだけの力しか出てない。だが この性能が完全に出てくるようになると いわゆる第六感以上の心の働きが出てくる。
 第六感以上の精神力が出てくると その人の生命の全体からオーラの力が非常に旺盛に出てるようになるんだ。だから そういう人の力を受けたものは 病でも性格でもどんどん治っちまう。私が手を乗せると 医者が捨てたような病人でも ぐんぐん治っちまうだろ。
 そうすると 本当に 自分でも不思議 不思議 不思議といわざるをえないほど 自分の精神作用の内容の優秀さが自覚されるようになります。
 認識力の養成ができると パッと顔を見ただけで その人が何を思っているかということがわかるんだ。今日はハンドバッグに何を入れてるなということもわかる。
 もっとも自分で これほどまで本当に不思議な働きをおこなうもんかなあと 私が一番先に感じたのは 腹の中の子供を<男><女>とピッと感じたままを言うと そのとおりに当たること。腹の子さえ当たるんだから あなた方の人生の日常の生活に起こる出来事なんてのは わけなく当たるがな。
 どんなむずかしい人生の相談をしにこられても 右から左に イエス ノーを言います。言うとき 何の思慮も分別もないのよ。自分で言いながら 不安もなければ 疑いもない。私が<そりゃ大きな問題だなあ ちょっと2、3日考えさせてくれ>なんて言ったことはいっぺんもないでしょう。そういうふうな状態に気持ちがなって 答えたらたいへんな間違いが起こる。幸い今までそういうことはありませんがね。
<1行空く>

ー続くー



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