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such is life
男の理想の生き方
2018年05月13日
テーマ:such is life
「男の理想の生き方は(永井)荷風ですよ」
小説家、詩人の伊藤整がどこかで書いていたのを読んだことがある。
むかしの永井荷風のエッセイを読み返してみると
例によって眼にふれるものことごとくに白眼を剥いて罵りをくりかえしているのだが、
花鳥風月と、自分が好む少数の人物に対してだけはまるで人が変わったような口調で讚美している。
それと書物と酒である。
独り暮らしに欠かせない無二の伴侶は書物と酒だけだとして讚美の言葉を書き連ねているのである。
その無邪気なまでの打ち込みかたの背景には、孤独が氷雨のようにたちこめていて、胸がしめつけられる。
山田風太郎の『人間臨終図鑑』にこうある。「荷風の身の回りの世話をしている福田とよさん(75)が、いつものように荷風宅に出勤掃除しようと荷風に声をかけたところ返事がないので不審に思い、奥六帖の間のフスマを開けたところ、荷風が半身身を乗り出しているのを発見通報した」
昭和34(1959)年4月30日享年80歳。
かつて荷風に師事した作家の佐藤春夫は、荷風の生活ぶりから「自然死による覚悟の自殺を企ていたものとしか、わたくしには考えられない」と書いていた。
花鳥風月と、書物と酒と、そして女性を愛し、自然死する。
伊藤整でなくとも、公言しないだけであって、多くの男は「理想の生き方」と思っているにちがいない。
そう書いているぼくも男である。
母の日や男の脛のキズのあと
風来
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孤独
男性にとって、孤独は、
ある意味、美学でもあるのでしょうか。
ジェンダーレスな世の中になっても
孤高や仙人は、女性には
似合わない表現ですものね。
2018/05/13 19:55:54