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such is life
芭蕉とバナナ
2018年05月07日
テーマ:俳句
「世のなかは、まったく芭蕉のようなものだ」
と、お釈迦さまは言ったのだろうか。
中村元博士の『仏教語大辞典』によると、仏典に「芭蕉泡沫(ほうまつ)の世」という言い方がある。
日本人がバナナを知るのは明治になってからだが、古くからその「木」は知っていた。
芭蕉である。仮名で「はせう」とか「はせを」とか表記した。
その実はウマイという記録はなく、バナナは草であった。
その茎は大木のように成長するが、剥くと、ラッキョウのように、中身がない。
それで「芭蕉泡沫」と言ったのであろう。
芭蕉葉は破れやすい。
その破れた風情が勇ましくも、潔くもあるとみたのであろう、
戦国武者たちの旗指物のデザインとして愛された。
伊賀の国の若い武士が出奔して江戸に出た。
年を経て、深川六間堀に住み、小庭に芭蕉を植えた。
塀越しに葉がさかえ、遠目にもよく見えたので、人びとは「芭蕉庵」と呼び、自分でもそれを俳号としたと伝わる。
芭蕉の句をみると、芭蕉は仏教語としての意味を知っていたと思われる。
風の色形をつくる芭蕉かな
風来
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バナナ
芭蕉葉は破れやすく潔い、とは
侍魂を持つ
いかにも日本人らしい感覚ですね。
芭蕉の為人が気になるエピソードですが
伊賀出身とは今更ながら
同じ三重県民として誇りです。
2018/05/07 19:52:32