世界は意外なことだらけ

ブックカース”(Book Curse、本の呪いの言葉)をご存知でしょうか 

2018年04月20日 ナビトモブログ記事
テーマ:テーマ無し

本を盗んだ者には恐ろしい災厄が待ち構えていることを警告する言葉を本に直接記すことにより、心理的な圧迫を加えることで悪事を思い止まらせようとするものでした。
例えば、スペインの図書館のもので、最もよく知られているものの一つ。
「この書を所有者から盗みし者、また、借りて返さぬ者――その者の手の内で、この書を蛇と化し、その身を嚙みちぎらせよう。体を麻痺させ、なべての器官をことごとく萎え朽ち果てさせよう。慈悲を乞い叫ぶほどの苦痛を与え、その声が消えうせる時まで苦悶がやむことのなきようにしよう。本の虫どもにはらわたを喰らわせ、地獄の劫火に永遠に焼きつくそう」
 それなりの抑止力があったものと想像されますが、驚いたことにはるか古代のアッシリアの粘土板からも同様の例が見つかっています。
アッシリアのアッシュルバニパル王(在位前六六八〜六二七)は王都ニネヴェに古代最大とされる図書館を築きました。ここから発掘された粘土板の文書の奥付に次の言葉が刻まれていました。
「世界の王、アッシリアの王、アッシュルとニンリルを信仰するアッシュルバニパルの粘土板。神がみの王アッシュルよ、あなたの威信は並ぶものなし。誰であれ〔粘土板を〕持ち去り、我が名の位置に自分の名を記す者は、アッシュルとニンリル、怒りに燃えた過酷なこの神が、彼を打ち倒し、彼の名、彼の子孫を地上から抹殺してくれますように」
 古代の図書館も、中世ヨーロッパと同様の問題に悩まされていたようです。



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