such is life

雨と男と女 

2018年04月18日 ナビトモブログ記事
テーマ:such is life

雨が降っている。

「遣(や)らずの雨」という美しい言葉がある。

かつて亡母は日常的に使っていたように思う。

たとえば、お客さんが帰ろうとしたところに雨が降りだすと

「まあ、遣らずの雨ですわ、お茶をもう一杯飲んでいってくださいよ」などと言っていた。

「遣らずの雨」はそもそも、男と女の後朝(きぬぎぬ「相会った男女が一夜をともにした後」)の別れに降る雨をいった。帰ろうとする相手を引き留める口実使うわけである。

それが転じて今では一般的に、訪ねてきた人を帰らせないために降る雨をいうようになった。

それはそうだ。
「雨が降ってきたから止むまで待ったらどうですか」といわれるより、

「遣らずの雨」ということによって、
「帰ってほしくない、もっといてほしい………」という切ない思いや、相手を大切に思う心が込められているように思う。

それにしても、この季節を戻したような、氷雨を思わせる雨は、弱い人間には一つもよいことがなく、

「遣らずぶったくり」のような雨である(ちょっと離れているかな?)。


かの人のよいこと浮かぶ春惜しむ
風来



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つちのえさん

suchさん

何かの本で「わたくし雨」というのを目にしたことがあります。限られた地域に降るにわか雨のことですが、なんとも日本的なポエティックな言葉だと思いました。

2018/04/18 20:55:41

風情

つちのえさん

こんばんは。
昨日は冷たい雨が一晩中
時折激しく降っていましたね。
朝はクシャとうな垂れていた
咲いたばかりのタンポポの花が
帰宅しましたら
少し花びらを乱しながらも
元気に頭を持ち上げていました。

雨、いろんな表情があり
日本人は雨に名称を付け
様々なシーンで利用し楽しんでいましたね。
日本の風情を感じました。

2018/04/18 19:22:40

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