中席千穐楽のサプライズ

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吾喰楽家の食卓

2018年03月21日ナビトモブログ記事
テーマ：古典芸能

昨日、国立演芸場の三月中席へ行った。
特に目当ての噺家が居なかったので、今日のブログは、一昨日、鉢形城跡で撮ったエドヒガンとカタクリの写真を載せ、何か書こうと思っていた。
ところが、国立演芸場で、予期せぬことが起きた。
急遽、予定を変更し、中席の千穐楽をテーマにした。

少し早く着いたので、国立演芸場で代演の有無を確認してから、隣接する伝統芸能情報館で、歌舞伎の記録映像を見ることにした。
中席の出演者の顔ぶれを見て驚いた。
十人（組）が出演するが、開口一番の前座は、その場にならないと分からない。
事前に分かっている九人（組）の内、何と五人が代演なのだ。
寄席では、代演は珍しいことではない。
国立演芸場は、代演は少なく、居たとしても一人（組）程度である。
ここに通い始めて、四年目に入ったが、こんなことは初めてだ。
でも、今日のブログのテーマを、変更することは考えなかった。

三十分ほど、伝統芸能情報館で、先代の幸四郎が演じた、四谷怪談などの記録映像を見てから、国立演芸場へ入った。
余分な荷物と上着をロッカーへ入れ、ロビーに戻ったら、中学生の団体が入って来た。
国立劇場では、中高生を対象にした歌舞伎鑑賞教室で、生徒と一緒になったことはある。
ここでは、初めてだ。
中学生が入り終えてから、場内に入った。
百人ほどの生徒が、場内の中程に座って、弁当を食べていた。
開演の時には、一般客と合わせて、定員の六割程度しか客は居なかった。
中学生が、過半数を占めた。
今回はバレ噺は勿論、廓噺も口演する噺家は、居ないはずだ。
中学生と一緒になっても、ブログのテーマを、変更する気持にはならなかった。

予期せぬことは、紙切りの林家今丸師の時に起きた。
急遽、このことを、テーマにしようと思った。
先ずは、“舞妓さん”を切り、中学生にプレゼントした。
続いて、中学生のリクエストを受け、“カマキリ”を切った。
仕上がった作品は、リクエストした人が貰える。
中学生に気を遣った後、「前の方の方、何かリクエストを」と、矛先を転じた。
左隣の客が“藤井六段”、右後ろで“優勝力士”をリクエストした。
その後、中学生の一人を高座の前に呼び、男子生徒の似顔絵を切り始めた。
私も、二年半前の名人会で、指名されたことがある。
今回の紙切りは、これで終わりかと思ったら、紙が、まだ一枚残っていた。
「赤いセーターを着た方」と、私が指名されてしまった。
全く予期していなかったが、常時、祝儀袋は用意してある。
札とコインを入れた、二つの祝儀袋を持っている。
獅子舞などは、コインで済ませているが、今回の祝儀は札にした。

帰宅して、前回の作品と比べてみた。
頭の形は、今回の方が私に似ていると思う。
顔は、前回に軍配だ。
でも、鼻は、何れも似ていない。
自分では、もっと高いと思っている。
前回は、赤い格子柄のシャツを着ていた。
今回は、赤の地に細い黒の横縞が入った薄手のセーターである。
赤に反応するので、今丸師匠は丑年かと思ったら、五歳年上の午年だった。

前回の作品に興味のある方は、ご覧ください。
http://www.senior-navi.com/user/blog/diary_detail401289.html

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3月20日（火）の演題と切り紙作品