ほっこり

蜘蛛の糸 

2018年03月16日 ナビトモブログ記事
テーマ:小咄

天界にも春がやってきた

蓮の花と雲、どこまでも続く青空・・・
至って平和な世界が広がっている

が、刺激がなくて毎日が退屈極まりない

「暇ですなぁ〜」
「ほんまや」
「今度、日帰りツアーで火の山登山、三途の川船旅、血の池地獄観覧ツアーにでも行きませんか!?」

こんな会話が多い天界である

そんなこんなで春先には人気の行事がある
秋まで続く・・・らしい

天界の住人が地獄界に糸を垂れる

観客は多く、皆が固唾を呑む

「あの婆さんは体のキレがいいなぁ〜」
「いや、わしは5番の婆さんが根性ありそうでいいな」
などと大観衆がざわめく

糸は16本
フルゲート
一斉に地獄界へ糸が垂れる・・・

中継放送が流れる

「ゲートが開き
一斉にスタートしました
各ゲートのお婆が糸につかまりました
8枠スナカケババア好スタート
2枠のヤマンバが続く
遅れてキタサンタ、マタノカチドキも好位キープ
7枠ミスズンドウが最後方・・・」

年に一度の「謳歌賞」
3着までが天界入りを許されるのです

皆、ゼッケン番号がある
日本中央天馬会が胴元です
七福神が私設の予想屋

馬頭観音が興業を取りしきっています

お釈迦様はこれが一番の楽しみ

「今年も春が来たなぁ〜」

やがて、ゴールとなる

3着以下は糸が切れて真っ逆さまに落ちる

ハズレ婆(馬)券が塵と舞う

八百万の神がお客様

「今日は天気が悪くて不良婆(馬場)だったから、根性悪が上位独占しましたな」
「又、はずれて紙切れになったわいな」
「勝負の世界に神はいないなあ〜」

一瞬でお金が紙切れになった

「神頼みで次のレースを買おうっと」

刺激のない世界は地獄です



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漫歩さんへ

ぼてふりさん

何かいいネタがないか探していますが
考えると浮かんできません
ご期待に沿える話が書けたらと思います

お弟子さんというより先輩だと言えます
素晴らしい文章を書かれていますね

2018/03/20 01:20:25

湯好屋三助其の2さんへ

ぼてふりさん

貧困な発想に変化なしです
宜しくお願い致します

2018/03/20 01:15:40

月あかりさんへ

ぼてふりさん

悪文の灰汁多川です
根性悪おばばが1〜3着独占しそうなレース
お釈迦様の掌での雲(きんとん雲)に乗ったレースも考えましたが却下しました

2018/03/20 01:13:50

名跡を絶やさず大慶至極

漫歩さん

「ほっこり家ぼてふり」えの改名復帰おめでとう御座います。

色物の名人が別世界への挑戦は流石でした。

ところで、有望なお弟子さんを得ましたね。中々の素質と見ていますが、大事にお育てください。

2018/03/17 15:02:21

どこかで見た文面ですが

湯好屋三助其の2さん

あれれ。もしかしておかえりなさい。

2018/03/17 14:22:30

灰汁箍輪さんの名作ですね

月あかりさん


このよーにして釣りあげられた婆達は
改心することなく天界でも若い神達に悪心を吹き込む
誘惑するなど悪さが目にあまり、とうとうお釈迦さまの尻に敷く
ハスに姿を変えられてしまったとか。
お釈迦さまは大きな尻なので蓮子は直ぐにすりきれてしまいます。
それで
阿婆擦れ→あばずれの語源なんです。

2018/03/17 10:36:44

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