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たかが一人、されど一人
読後感「クラウド・テロリスト」ブライアン ・フリーマントル著 松本剛史訳
2017年10月13日
テーマ:テーマ無し
上下2巻:フリーマントルのスパイ小説を読むのは久しぶり。また幾ら面白かったからとしてもこの手の小説について読後感を書くことも珍しい。理由は著者に敬意を表したかったからである。著者は4歳年上なので80歳は優に超えているはず。老いたスパイの活躍を書けば天下一品で、経歴はジャーナリスト出身と記されるが、その実英国の諜報関係者だったのではと疑いたくなる。改めてwikiで調べると案の定ソ連時代は入国を拒否されていて、ソ連崩壊後初めてロシアへ入国できるようになったとのこと。今回もスパイ小説に違いないがこれまで読んだ作品とは趣が大分異なり、主役は英国MI6勤務の若い女性と米国NSCの若い男性。共にアナリストとかITのスペシャリストで、これまでのスパイとは一味も二味も違う。スパイと言えば単身身元を偽って敵地に潜入がお決まりにのパターン。これも相当にイメージが異なり、敵国が存在しない。悪役は国際的テロ組織のアルカイダで欧米各国が協力してこの組織と対立する図式となっている。共に英語国家だが、中東系のテロ組織との対立には中東からアフリカにかけての言語に堪能でなければ困る。そこで英国から米国に主人公の語学のスペシャリスト(父は中東とアフリカ歴任の外交官で母はヨルダン人)が国際協力として出向することになる。英国MI6と米国NSCの諜報機関同士の協力が描かれる訳だが、先ずはそれぞれ国内で組織間の縄張り争い、功名争いと失敗のなすりつけ合いがある。その上での国家間の協力になるが、これが如何に難しいかがこの小説の一つのテーマ。特に米国の諜報機関は数が多いので有名だが、諜報機関の前には国務省と通じる各国大使館があり、情報取り扱いの差し手争いのようなことが相当にややこしい。当然ながら小説でさえその齟齬の恐ろしさを指摘している。ここが、現実に政権によって国際協調が強調される日本国民として非常に興味深い。トップ同士が握手をした程度で、デリケートな諜報とまではいかなくても軍事的な協力関係なんかとても円滑にいかぬだろう。日本にも諜報活動をする風情の機関は各国に配置されている大使館の他に国内にも公安調査庁、内閣情報調査室とか、2014年には米国に倣って国家安全保障局会議(日本版NSC)なんてものが設置されている。それぞれの組織内に朝鮮語や中国語のスペシャリストが何人いて、それが英語国家のアメリカとどのように協力し合っているか心配になってきた。もう一つのテーマは、実は翻訳の書名にも関係するが、インターネットと暗号に関する記述の豊富さである。77歳の年の割には知っている方だろうと己惚れていたが、反省しきりだ。著者は既に80歳を過ぎているにも拘らず豊富な知識には完全に脱帽せざるを得ない。つい先日も韓国の国防省が「対北朝鮮作戦計画」を数年前からハッキングされていたことを公表したばかりだ。関連してこれも最近であるが、隣国の中国に於けるインターネット環境に関する知識が皆無であることを思い知らされた。インターネットにも国境が無い。経産大臣がNTT広報部長歴任の日本だが、彼が高度なIT技術を持ち合わせる筈はない。この小説にも原子力発電所へのアタックが描かれるが、日本のサイバーセキュリティ―に関して思いを深めた意味で、並みの小説以上に収穫があった。
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