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敏洋’s 昭和の恋物語り

[宮本武蔵異聞] 我が名は、ムサシなり! (七) 

2017年04月23日 外部ブログ記事
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 伊賀の国にて。
 夕陽に映えて黄金の色に染まったススキの群生する野原に、二人の武芸者が対峙している。
「我、日ノ本一の剣士也」と書かれた幟を手にしたムサシに対して、宍戸梅軒と名乗る武芸者が、「ご指南いただきたい」と申し出ての決闘だった。

「無益な殺生は好まぬけれど、身共が勝ち申した折りには、そこもとの懐中を探らせていただくが、それでもよろしいか」
 殺生とは、異な事を…と思いつつも、闘いを避けるがための脅し文句だろうと考えた梅軒は「相分かり申した」と、構えに入った。

「それはまた珍しい道具でござるな。何という武器でござるか」
さも珍しげに問いかけるムサシに対し、気をよくした梅軒は「これはでござるな―」と、構えをといた。
梅軒の隙を待っていたムサシが、いきなり刀を抜いて斬りかかった。

 あわてて後ろに飛び下がった梅軒は、すぐさま態勢を取り直し、鎖をブンブンと回し始めた。
ひと太刀で仕留められなかったムサシは、うかつに飛び込むことができなくなった。
小さな円を描いていた鎖が、次第に大きくなっていく。
少しずつ後ずさりするムサシに対して、梅軒はジリジリと横に動いた。
傾いた太陽を背にした梅軒に対し、ムサシは手をかざして眩しさから逃れた。

 怒声とともに鎖が空を走り、ムサシの刀にからみついた。
どうだ! と言わんばかりに笑みを浮かべる梅軒が、勝ち誇った表情を見せた。
しかしムサシは能面のように無表情だった。

 梅軒の手にある鎌が、不気味に光っている。
鎖を外さねば斬りつけることもままならぬ。
刀を寝かせて抜こうにも、鎖がしっかりと絡まった鎖は簡単には取れそうにもない。
皆が皆、からまった鎖に動揺し、また梅軒の揺さぶりに防御の態勢もままならない。

 ぐいぐいと手繰り寄せる梅軒に、踏みとどまろうと力を入れると、ふっと梅軒が緩めてくる。
もんどり返る体をこらえると、梅軒の鎌が眼前に迫っている。
こうなっては敗北を認めざるを得ない。

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