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再放送をお願いします 「NHKスペシャル ドラマ 東京裁判」 

2016年12月16日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



NHKスペシャル ドラマ 東京裁判「第一話」〜「第四話」が昨日で終わりました。

>70年前、世界から集まった11人の判事が「戦争は犯罪なのか」という根源的な問いに取り組んだ「東京裁判」(極東国際軍事裁判)。NHKは世界各地で取材を行い、判事たちの公的・私的両面にわたる文書や手記、証言を入手した。そこから浮かび上がったのは、多様な背景をもつ判事たちが、激しい議論の末にようやく判決へ達したという、舞台裏の姿だった。11人が繰り広げる、緊迫感あふれるヒューマン・ドラマを全4話で描く。<

東京裁判に関する書籍は何冊か読んできたが、重厚で内容が濃いこのドラマを観て、東京裁判が世界史・日本史における大きな役割を確認できました。
全員無罪の意見を出したインドのパル判事を、天まで持ち上げ「東京裁判は戦勝国の復讐の儀式である」と論じている靖国神社の薄っぺらな歴史観でアジア・太平洋戦争を展示している「遊就館」はこのドラマをしっかりと見て欲しいと感じました。


防衛省「市ヶ谷記念館の展示改善に関する請願」の賛同人である立命館大学名誉教授赤澤史朗氏の著書「岩波ブックレット 東京裁判」から「少数意見の存在」を引用します。


・・・・・・・・引用・・・・・・・・・・・・・・・
 東京裁判では、多数派判決以外に五種の少数意見が存在した。これらの少数意見が法廷で朗読されることを弁護側は要求したが、この要求は拒絶され、少数意見は速記録にも掲載されなかった。五種の少数意見のうち、多数派判決に反対したのはインド代表パル判事、フランス代表ベルナール判事、オランダ代表レーリンク判事の意見であり、多数派判決を基本的にみとめながら補足的に自己の見解をのべたのはオーストラリア代表ウェッブ裁判長、フィリピン代表ジェラニラ判事の意見である。この五種の少数意見のあいだには、あまり共通点はみとめられない。それでも特徴的な論点をあげれば、つぎの点であろう。
 第一は、当裁判所が極東国際軍事裁判所条例にたいする審査権を有しているかどうかの点である。多数派判決はあっさり審査権はないと否定していた。しかし、フランス代表ベルナール判事とインド代表パル判事のふたりは、本裁判所が条例にたいして審査権があることをみとめている。こうした少数意見は、東京裁判がどこまで国際法に立脚し、人類普遍の法に立脚しているれを考えてみようとする姿勢にもとづいたものであった。
 第二は、天皇の戦争責任の問題である。フランス代表ベルナール判事は『木戸日記』の記事を引用しながら、太平洋戦争開戦の主要な責任者は天皇裕仁であり、他の共犯者がそのかわりに処罰されるのは不合理であると論じた。また、ウェッブ裁判長は、天皇の免責は「すべての連合国の最善の利益のために決定された」とみとめながら、大きな責任のある天皇が免責された点は、他の被告の量刑にさいして考慮に入れられるべきだとのべている。天皇の不訴追、免責という事実は、東京裁判のもつ政治的性格や訴追の不公平さを端的にしめすものであった。
 第三は、アジア人からの視点である。中国代表判事を除いて、アジア人の代表はインド代表パル判事とフィリピン代表ジェラニラ判事のふたりだけであった。それにしてもこのふたりの少数意見ほど対抗的な意見はなかった。インド代表パル判事のそれは、極東国際軍事裁判所条例を批判し、被告全員の無罪を訴えたのにたいし、フィリピン代表ジェラニラ判事の意見は、パル判事の意見を非難し、多数派判決の量刑は、寛大すぎて犯された罪の重大さにふさわしくなく、みせしめにもならないと、より重刑を要求した。また、パル判事が原爆投下は連合国の犯した戦争犯罪だと訴えたのにたいし、ジェラニラ判事は原爆の使用は正当な行為だと主張している。
 こうした両極端の意見は、直接日本軍の支配をうけたフィリピンと、日本軍の支配をうけなかったインドというちがいにもとづくものであった。しかし、たんにそれだけでなく、ここには、近代の長い期間を通じて、アジア人が日本にたいしていだいた期待と怨恨のふたつが、くっきりとした姿をとってあらわれていたともいえよう。

遊就館前の広場に建立されている「パル判事顕彰碑」


防衛省市ヶ谷記念館内の陸軍士官学校講堂の壁に貼られているアジアの地図(東京裁判法廷で使用された)


陸軍士官学校一号館

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