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友人の歌う、ユーチューブ 

2016年05月09日 ナビトモブログ記事
テーマ:音楽

カメラマンの知人がいる。

田中長徳氏、一般にはチョートクさんと呼ばれているらしい。

ウィーンで一緒に遊んだ大学時代の友人の、旦那様である。

音楽関係者が大半だった交友関係の中で、その人の話は視点が違って面白く、お互い学生仲間の気楽さで、一緒に飲んだり、居候もさせてもらった。


でも、ウィーン在住期間が重なっていたのは一年ばかりで、日本に帰ってしまえば、それぞれの生活があって、殆ど接点は無い。

そういえば一度、銀座で信号待ちをしていて、ふと横を見ると隣に彼が立っていたことがあった。

「銀座でばったり会うなんて、外国人の観光客みたいだね」と相変わらず笑わせてくれて、近々写真展をするから、と案内をくれた。


ある時、池袋の大型書店で、その田中君の写真集を見つけた。

懐かしいウィーンの街並みや人々を、彼の文章で解説している、私にとって珠玉の様な本であった。

今なら考えられないが、著者紹介のところに、住所が載っていて急に懐かしくなった。

夫人は大学の同期だから、多分名簿で番号を探して、電話した様に思う。

長話をした覚えがあるから・・。



それからは、時折交流もあって、彼女のリサイタルへ行った事もあった。

その時、ロビーで久々に田中君に出会った。

40代半ば位の頃だったろうか・・。

眼光が鋭くなって、旬の人の表情をしていたのを覚えている。


夫人とはその後も、何かの音楽会や、同期会などで顔を合わせる機会はあったのだが。


数年前に思いついて、ブログでも載せてないかなと、彼の名前を検索してみた。

文章を書くのが好きだ、とは聞いていたから・・。


何と彼は毎日、午前零時に休むことなくアップしていることが判明。


勿論大半はカメラに関する内容なのだが、時折家人という表現で、友人の様子も出てくる。

思い切ってメールを送り、夫人のアドレスを訊いた処、すぐに返事がきた。

仕事のできる人は、やはり違う。


それから私は、夫人と時折のメル友となり、彼のブログの熱心な読者になった。


そして、この春。

夫人がリサイタルの招待状を送ってくれた。


東京浜離宮の朝日ホールなので、残念ながら行けないけれど、この年齢でリサイタルをすることに感銘を受けた旨、お礼のメールを送った。



今日、久々にチョートクさんのブログを訪問すると、先だっての夫人のリサイタルの記事があった。

彼が撮った動画を、ユーチューブに載せてある様子だったので、すぐさまそちらにアクセスした。


まず、彼女が椅子に座って歌っているのに、ちょっと驚いた。

体調が悪くて、立っているのが辛いのだ、とトークで言っていた。


そうなのだ、

声楽家や、ヴァイオリニストは、リサイタルでは立って演奏するのが一般的だけど、彼らはオペラでは寝て歌うことだってあるし、オーケストラでは皆椅子に座って弾いている。

立ち姿が、最上のコンディション、という訳ではないのだ。


先日、病後の小澤征爾氏が、ベルリンフィルを振っている映像を見た。

最初、ちょっと違和感を感じたのは、氏がタキシードではなく黒のカーディガンを着ていたからだった。

でもこれこそ、病後だからなのだと、世界中のファンが頷く事だろう。

納得のできる演奏をするためには、一番心地よい状態を選ぶのが当然なのだ。


彼女がアンコールに歌った「さよなら」は、長年歌い続けてきたゆとりと、これが最後かもしれないという感慨の伝わってくる、それは素晴らしいものだった。


旦那様のチョートクさんも、だからこそ、ユーチューブにアップしたのだろう。



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昨日は

シシーマニアさん

師匠のブログの、アーカイブを拝読しました。
数年前の、靖国神社のメールのあたりまで、到達しました。

喜美さんのお宅へいらしたり、彩さんのお宅で白洲を堪能なさったり、素敵な人脈が続いているのですね。
最近の交流は、リアルタイムで読んでいましたが、仰る通り良き友は良き財産ですね。

2016/05/09 19:54:02

広いようで

パトラッシュさん

世間は狭い。
偶然と言うこともあるのですね。
人との縁、これほど不思議なものはありません。
良き友は良き財産。
大事になさって下さい。

長徳さん、良いお名前です。
それはもう(戸籍上は知らず)呼ぶなら「ちょーとくさん」でしょう。
もっと親しくなれば「ちょーさん」でしょう。

今日のブログ、友への親しみがこもっていて、なかなかいいです。

2016/05/09 19:19:24

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