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たかが一人、されど一人
読後感「敗北を抱きしめて」ジョン・ダワー著訳 三浦陽一・高杉忠明
2015年05月11日
テーマ:テーマ無し
先々週土曜日に放送された著者のテレビインタビューを観て触発され、大枚を叩いて買い込んだ本であるが、1週間がかりでやっと読み終えた。正直なところこんなに早く読了に至るとは思っていなかった。読み始めると引き込まれて随分と読み進んでしまう。近来かくも興味深く読み応えがあった書物は珍しい。著者は2歳年上の文学者であり歴史学者でもあって、日本文学とと日米の関係の歴史を専門としている。そもそも現代日本に於いて、大学などの文系学部では法律だの経済だの言った方面が文学や歴史学に比べると一段格上に見られているように思うが、英米などではそうではないらしい。英国オックスフォード大学では歴史学が最難関コースとされている、とどこかで読んだような気がする。本書は、先の大戦の終戦直前から米軍による占領時代を中心に、昭和の終わりくらい迄にかけ、日本人と日本社会がどのように変容していったか、そしてそこに占領軍或いは同盟軍としての米軍とアメリカ人がどのように関係していたかについて記した記録である。明治或いは大正生まれの両親の世代が、この間の変化をどのように感じていたかは知る由も無いが、昭和15年生まれとして思うのは、価値観に劇的変化があって戸惑うことも多かったのではとの思いである。何故ならおぼろげながらであっても、1945年8月15日の玉音放送が我が家に流れた日の記憶はあるし、その後社会に起きた変化の現実の一端は実際に見聞してきたからである。しかし著者は、5年や6年で国民の価値観など簡単に変わるものではないと言い切っている。このことが目から鱗の思いと言える。日本が何故あんなに惨めな敗戦を喫したか、戦後70年経った今でも正確に理解できていないと思われるような社会現象が出始めている昨今でもある。1931年の満州事変から1945年の終戦に至る道筋を追い、且つアメリカに依る占領とマッカサーの占領政策を残された記録を基に丁寧に分析した本書を読み進むと、これまでに思い込んでいた、又は現実に見て知っていたつもりの日本が全く別の形に見えてくる。敗戦による進駐軍の占領によって東京裁判もあり、新憲法の制定もあり、数々の法令の改正で日本は全く民主化され生まれ変わったかのようにも言われるし、そう思ったりもしている。しかし敗戦から僅か5年後には朝鮮戦争が勃発して、警察予備隊の編成を余儀なくされたりして、ここで再び日本は局面ががらりと変わったようだ。その時世界には何が起きていて、米日関係にどんな化学変化がもたらされたのだろうか?それを見越しての占領政策であったこともよく理解できるようになった。キーワードは天皇制の維持にあるかもしれぬ。何れにせよ著者はアメリカ人で、日本に長く暮らしたわけでもあるまいに、よくぞここまで深く突っ込んで知らないことを教えてくれた。そして愛情溢れる思いで、日本を見つめているように思える。あぶなかっしいながらもよくこれまで民主的平和国家としての体裁を保ち続けてくれた。この先もその名誉を捨てずにほしいとの思いが伝わってくる。学者と言う職業人はかくあらねばならないのだろう。本書に匹敵する文章をものにできる歴史学者が日本にいないのかと思うと、些かさびしい。
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