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「ブライヅヘッド、再び」 

2015年02月14日 ナビトモブログ記事
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ミレニアムの年に初めて英国へ行った。

目的地は、ハロゲート。ヨークシャー州にあるリゾート地である。

アガサ・クリスティのファンにとっては、彼女が失踪した土地として有名である。ヨーロッパの人達には、高級温泉地として名が通っているらしい。

私たちは、ロンドンから鉄道で北上したが、半日がかりだった。

まずは、近くにあるハワースという村のB&Bに泊まった。ブロンテ姉妹が住んでいた場所だ。


B&Bに泊まるのは初めてだったけれど、知人の大きな家に泊めて貰った様な楽しげな気分だった。

「ベッド&ブレックファスト」という意味だから、当然夕食はつかない。其処の奥さんが、私達を村の中心まで車で送ってくれた。


多分、おすすめのレストランを教えてくれたのだろう。

客全員が顔見知り風の店内ながら、注文したステーキやビールも美味しく、中の一人が我々に話かけて来てからは、店内の空気も和らいだ気がした。


日没時間の遅い八月の終わりだったので、帰りはゆっくりと歩いて戻った。

教えて貰ったばかりの、ヒースの花が咲く低い灌木が、一面に繁っている景色を眺めながら、「嵐が丘」のヒースクリフや、「秘密の花園」のメアリやジッコン達に思いを馳せた。


翌日は日曜だったので、近くにあった教会から鐘の音が聞こえてきて、村の人々が連れだって朝の礼拝へと行く様子が、窓から見えた。


その頃、英国では、「Brideshead revisited ブライヅヘッド、再び」というテレビ番組が話題だったらしい。

テレビ撮影のロケ場所に使われた、キャッスルハワードというお城が、その後私が参加した観光地巡りに含まれていたので、私も出発前に少し調べてはいた。

ハワースから、ハロゲートへ向かう途中、観光地の宣伝で、「Not only Brideshead to revisit 再訪するのは、ブライズヘッドばかりじゃない」という看板を見つけて、ちょっと嬉しかった。

今でも覚えている位だから・・。

当時、吉田健一訳のその本は絶版とかで手に入らず、結局キャッスル・ハワードを見学した際、売店で記念に原書を買った。

私には中々読みにくい英語で、半分ぐらいで挫折してしまったのだが、ある時翻訳家の友人宅で、書棚を覗いていたら吉田版の訳書を見つけたのだった。


私が由来を説明すると、何故か彼女はその本を二冊持っていて、「あげるわよ」と、いとも簡単に手に入ってしまった。



「この小説の背景で、大きな問題となるのはね、貴族の家系でカトリックという事なのよ。イギリスでは、英国国教会が主流だから・・。」


「貴族の女性は、名前にレディがつくでしょ。苗字の前にレディが付くのは、結婚して貴族になった女性。生まれながらの貴族は、ファースト・ネームの前にレディがつくのよ」

確かに、ダイアナ妃が結婚する前、Lady Di という愛称で呼ばれていたなあ。


忌憚のない質問をぶつける事の出来る、貴重な中学時代の友人だったのに、中年を過ぎて親しくなった途端に、あっという間にこの世を去ってしまった。

もっともっと、色々教えて貰いたかったのに・・。



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お食事は

シシーマニアさん

吾喰楽さん、こんばんは。

コメントありがとうございました。
お食事は、期待していなかったせいか、普通だった様に思います。特に悪い印象はありませんでした。
不味いという風評が定着してしまった気がしますが、住んでる人に訊くと家庭料理は美味しいそうです。

2015/02/14 22:34:51

イギリス

吾喰楽さん

こんばんは!

イギリスに限らず、ヨーロッパは何処へも行ったことがありません。
もっとも、海外旅行は、新婚旅行で香港とマカオ、仕事と遊びでアメリカへ各1回です。
イギリスは、食べ物が美味しくないと聞きますが、如何ですか。
名前は忘れましたが、冷凍の魚を、これでもかと云うほど揚げる料理を、テレビで見たことがあります。
見ただけで、胸が焼けそうです。

2015/02/14 18:11:31

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