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パトラッシュが駆ける！

小噺「カラオケ怖いよ」　

2015年02月06日 ナビトモブログ記事
テーマ：テーマ無し

「ご隠居さん、本当ですかい？　カラオケに行ったってえ噂は」
「おう熊か。相変わらず地獄耳だな」
「あれほど言ってたじゃねえですかい。俺は音痴だから、
カラオケなんかやらねえよって」
「よんどころなかったんだ。仲間に誘われてな」

「誰です？」
「よくわからない連中でな」
「へえ」
「カラオケは苦手です。至って真面目系なので、歌謡曲は上手く歌えません。
ミュージカルの曲とか、椰子の実の独唱とかくらいです。
なんて言っておったんだ」
「ははは、女だな」
「もう一人居る。これも言っておった。
人前で歌うことが、嫌いで嫌いで。元来音痴なんですと、こうだ」

「そんな連中と、どうしてまた」
「チャンスじゃないか」
「へえ？」
「音痴が集まって見ろ、もしかしたら、その中で、優位に立てるかもしれぬ」
「ははぁ、劣等生が、もっと劣等生を見下して、
優越感を持つようなもんだな。で、どうなったんで、その争いは？」
「言わぬが花だ」

「へへへ、察しは大概、ついてますよ」
「やな奴だな」
「はめられたんですよ、ご隠居さんは」
「どう言うことだ」

「普段、えらそうなことを、言ってるでしょ、ご隠居さんは」
「立場上、後輩を指導するってことはある」
「それですよ、それ。その時に、威張りくさるでしょ、
何時もあっしに、説教するように」
「物の道理を説いているだけだ」

「その仇を、何時か取ってやろうと、相手は窺ってたんですよ。
ほらよく言うでしょ、古紙簡単とか」
「それを言うなら、虎視眈々だ」
「それそれ」
「なるほど、江戸の仇をカラオケで、ってわけか」
「手を叩いて、喜んでたでしょ」
「そう言えば、やけに盛大に叩いた」
「下げてんですよ、溜飲を」
「まあいいだろ。衆生の胸のつかえを、下げさせてやるのも功徳だ」

「声は出ましたか？」
「飲んだ後だから、勢いがついている。たっぷりと出た」
「いってえ、何を歌ったんで？」
「王将だ」
「古いねえ、いまどき」

「古いのは、カラオケの器械だ。のろまな伴奏でな、
わしが歌ってると、すぐに遅れる」
「そりゃ、ご隠居さんの、気が早えからだ」
「じゃあ、ゆっくりやろうってえと、今度は先に行っちまう」
「へへへ、よほど器械に嫌われたね」

「あの店はダメだ。もう行かない」
「カラオケなんか、何処でやったって、同じでやんすよ」
「最後に、難曲を歌った」
「へえ」

「悟ったんだ。易しい曲を歌うから、いけない。
ちょいと外しただけで、ばかにされる。
難曲なら、外したって大目に見てもらえる」
「理屈はそうですがね。そいで、何を歌ったんで？」
「ろくでなしだ。越路吹雪のな」
「おうおう、いいジイサマが、歌うに事欠いて・・・」

「皆、静まり返った」
「そりゃそうでしょうよ、恐れ入ったんでしょうよ、きっと。水戸黄門の印籠みたいにね」
「カラオケってえのは、案外気分のいいもんだな」
「あのねえ」

「お前、ヒマそうだな。ちょいと付き合うか？」
「また今度、後生だから、今度にしておくんなさい。
急に用事を思い出しちまった」
「口ほどにも、ないやつめ」

「アー驚いた。隠居の歌なんぞ聞いた日にゃ、三日三晩、
うなされちまうよ。
ことがカラオケだけに、隠居は空威張りする。
こっちだって、空手形を切って、逃げるが勝ちさ」
「おーい」
「おうおう、まだ叫んでやがる」
「南無阿弥陀仏」
「何でえ？　念仏なんか唱えやがって」
「カラオケに、回向（えこー）は付き物じゃ」


　＊　＊　＊

本日はこれから、外出致します。
コメントへの対応が遅れますが、空返辞には致しませんので、ご了承下さい。



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唖然

パトラッシュさん

プラチナさん、
皆さんが、信じられないと言います。
隠居と「ろくでなし」は、よほど結びつかないようで・・・
場内を静粛にするためには、こういう手もあるようですね。（笑）

2015/02/08 07:33:06

リズミカルに♪

プラチナさん

ご隠居さん、"ろくでなし"を歌ったとは、てぇしたもんです、恐れ入谷の鬼子母神…。場内静まり返った、と言うのは少々気になりやすが。

2015/02/07 22:49:34

Reiさん、おはようございます

パトラッシュさん

ユーミンてえのは、確かフィンランドの谷に住む妖精で、ちょっと小太りの？
いや失礼、あれはムーミンでしたね。
するってえと、松任谷さんのこと？
だとすると、すごいじゃないですか。
難しいですよ、あの人の歌は・・・

えー、千葉のユーミンですかぁ・・・
参ったなあ、それは・・・
しかし私だって、西荻窪のムッチーと言われた男、ここは敢然と勝負しましょう。
ムッチー、ご存知ない？
村田英雄のことです。
ええ、王将のね。
（餃子じゃないですよ）

勝負の決着は？
そりゃ、ギャラリーの拍手によってですよ。
カラオケ採点機？
あんなものは、当てになりません。
先日の立川で、器械のいい加減さを、身に染みて感じました。
拍手なら、自信があります。
先日も、割れんばかりのそれを、頂きましたから。

2015/02/07 08:30:37

シショー!!

Reiさん

パトラッシュ師匠
私は、体は丈夫です。
たまたま昨年は、色んな災難に遭いましたが…

節分とともに、昨年の悪い流れを振り切って、今年は良い年になると、占いにも出ています♪

そんなわけで、師匠の根拠のない推測は、見事にはずれると思います。

千葉のユーミンと言われた私…（もちろん勝手に言ってるだけで、ユーミンしか歌えないという噂もあり) いつの日か師匠に見事に勝利することでしょう！


ところで、カラオケの勝ち負けはどうやって決めるのでしょうか…(^_^;)

2015/02/07 07:20:15

昔取った杵柄は

パトラッシュさん

喜美さん、
今度デュエットで歌いましょうか。
喜美さんの声は、高く澄んでいて、とても耳に快いです。
きっと、歌もお上手だと思いますよ。

喜美さんが、ろくでなし？
なわけ、ないでしょう。

昔取った杵柄、歌詞もメロディーも、すぐに思いだしますよ。

2015/02/06 19:01:24

推測では

パトラッシュさん

SOYOKAZEさん、
私なんだか、Reiさんには、勝てそうな気がして来ました。
格別の根拠はありません。
でもあの人、すぐに骨折するでしょ。
結膜炎にもなるでしょ。
そんな人が、カラオケ上手ってことは、あり得ないと思うのです。

2015/02/06 18:54:13

真相は如何に・・・

パトラッシュさん

シシーマニアさん、
さすがに見抜いておられますね。
そうです。
小噺は、掛け合い漫才みたいなもので、キャラクターの違う二人に、作者の心情を語らせるようなものです。
誰もが、二面性を持っていますから。
真相はまた、別のところにあります。（笑）

2015/02/06 18:27:57

おあついことで

パトラッシュさん

彩々さん、
には敵わないです。
何しろ、器械を持ち、日頃、まごっちと練習している人ですから。
なんですって、そんないい人が出来たのですか？
ハッピーですね。
越後の雪だって、彩々さんの熱気で、溶けるかもしれませんね。

2015/02/06 18:21:40

カラオケ

喜美さん

小噺か大話か私にはわからないけれど
面白かった　前から歌好きでしょう
皆さんからカラオケに行った話訊きました　師匠が上手な事も　わたしも師匠と歌いたくなりました　昔ろくでなし大好きで口ずさんでいましたけれど
今そこの　ろくでなしだけしか歌えません思いださないの　私自身がろくでなしだからかしら

2015/02/06 17:55:51

高田の馬場は・・

さん

師匠、高田馬場では若手に有利かと・・・
なんせ中山安兵衛は、後の娘婿、ここは、若手に花を持たせ、文の道で戦われるのが賢明かと？（笑）
さっきと、正反対のことを言う私です。（笑）

2015/02/06 17:09:01

やりましょう

パトラッシュさん

Reiさん、
確信しましたか・・・
それは頼もしい。
今度やりましょうね。
対決を！

場所は、高田馬場で。
あそこは、決闘するのに、良い場所なのです。

2015/02/06 16:54:59

大混乱

パトラッシュさん

SOYOKAZEさん、
ほんとほんと、
生バンドの方が、いいですね。
一度やってみたい・・・
でも、やっぱり止めときましょう。
バンドが大混乱を来すといけないから・・・

SOYOKAZEさんが、外す？
そんなことは、考えられません

2015/02/06 16:51:25

いいですよ

パトラッシュさん

吾喰楽さん、
お聞かせしますよ、機会があったら。
一度やってしまうと、もう、恥を恥とも思わなくなりますから。
その晩、うなされても、知りませんけどね・・・

2015/02/06 16:48:09

SOYOKAZEさんへ

Reiさん

「饅頭怖い｣…聞いたことあります。
やっぱりそうですか…
師匠の「怖い｣は「好き｣なのかも!?

あの甘い声ですものね♪

師匠のブログで好き勝手な会話、お許しくださいm(__)m

2015/02/06 15:56:12

座布団は、何枚準備しましょうか

シシーマニアさん


二人に分散させて、心情を語らせる、という手法なのですね・・。

しかも、創作だから、真相はやぶの中、ですか・・。

興味新人です。

2015/02/06 15:54:56

ふふふ、、

彩々さん

あれ以来、密かに練習なさっている
師匠のお姿が見えまするぅ。

私も昨年から好きな殿方ができ、
その方の声がまた、いいんですぅ〜
そう、しびれまくりです。
歌詞がまたいいんです。
声も良く、顔はまぁまぁ（?）な
殿方なんですぅ。

女性アーティストの名曲カヴァーアルバム
最新作『VOCALIST 6』で、男性の声で聴くと
また、これがイイのですよ。

師匠の声も、女性アーティストの名曲が
似合うと思いますよ。
暖かさのあるお声ですもの。

お互い、その時のために練習に
励みましょうか!?（笑）

2015/02/06 10:38:17

横レスご免！

さん

Reiさん、「私、失敗しないので」ってクールに決めても、師匠の事です。

「カラオケ怖い」は「饅頭怖い」かもよ？（笑）

＊「饅頭怖い」は落語です。
　饅頭などの甘い物が大好きな男が、みんなに「饅頭くらい怖いものはない」
「ならば食わせてやろう」
まんまと男は大好きな饅頭をたらふくget！
オチは「お茶も怖い」だったかな？

2015/02/06 10:29:50

恐れ入りました

Reiさん

さすが師匠、見事な小噺です。

でも、私は確信しました。
カラオケでは、絶対師匠に勝てると!!

私、失敗しないので…あ、これは一度言ってみたかっただけですから、どうかご指導の際は、お手柔らかに(^_^;)

2015/02/06 10:22:00

やっぱり師匠！

さん

パトラッシュ師匠　おはようございます。

粋で、軽快で、落語の世界に誘うような師匠の小噺、楽しいですね。

私の、日記風小噺は、お馴染さんでないと、意味不明ですが、師匠の小噺は、誰が読んでも面白い。
何でも奥が深いものです。

しかし、NHKののど自慢のように、機械も、歌い手のテンポに、合わせてくれたら、いいのにねぇ。（笑）
と、言う私もダンスでリズムを外した事は無かったのに、一回遅れてしまいました。（笑）

2015/02/06 10:02:26

越路吹雪

吾喰楽さん

聴いてみたいですね〜
パトラッシュさんの“ろくでなし”を。

婚約時代、ホテルのディナーショーで、越路吹雪を聴きましたよ。
素晴らしい歌でした。
隣の席に、倍賞千恵子が客として来ていましたよ。

私は歌いませんが、聴くのは好きです。

2015/02/06 09:53:06

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