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第62回 昭和35年1月 洋装店のアルバイト(1) 

2014年06月09日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し


中学2年の11月から、母は、服地を買っている洋装店のおばさんから、仕立物を頼まれるようになった。
冬休みの終わりの日、母が、私に仕立物を届けるよう言う。
駅に行く途中にある元町洋装店に着くと、彩りよく並んだ服地の陳列台が目に入る。
挨拶もそこそこ、「サージの生地の中で、この紫色が好きだわ。赤が入ったツイードでコートを作るとええね。ビロードもギンガムもこんなに種類があるんじゃね。」など、つい口に出た。
「よく生地の名前を知っちょるね。」と少し驚いた声で、お店のおばさんが言った。
「母が仕立てる時、生地の名前をいうので、いつの間にか覚えたの。」と私。
「もうすぐ、冬物半額大売出しを三日間するんよ。それだけ生地の名前が分かるんじゃったら、手伝いにきてちょうだい。忙しいから助かるんよ。」とおばさん。
「はい、手伝いに来ます。」と即座に返事をした。
おばさんは父の姉と特に親しかったようで、気楽に接してくれるので、親戚のおばさんという感じだ。
こんなきれいな色のある店で、手伝いができるなんてと嬉しくなる。
ついこの前の年末も、近所のチェンストアーの手伝いを頼まれたので、店員役の劇つもりで面白かった。
おばさん達が喜んでくれて、その上お小遣いを貰えたのだ。
以前は、母は食費のお金だけまとめて父から貰い、他の必要な物の代金はその都度貰っていた。
最近は、父から家計費5.000円まとめて貰い、使い切ったら又5.000円貰い、家計簿を付けている。
必要な学用品の代金は、その都度母が支払ってくれる。
また、毎月、私に自由に使える500円の小遣いをくれるようになり、小遣い帳を見せなくてもよい。
だが、クラブ活動からの帰りに、キャベツ焼きを食べたり、お祭りに行って何か買うと、お小遣いが足りなかったので、お店からお小遣いを貰えると本当に嬉しい。
今度も洋装店で、今までより丁寧な言葉遣いをして、笑顔で店員役の劇をしようと楽しみになった。

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