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少年H 

2013年08月15日 ナビトモブログ記事
テーマ:ドラマ

映画ファンの皆さん、こんにちは〜!

今日は終戦記念日、戦争が終わってから68年間。
これからも永遠に平和であって欲しい。

今日は少年の眼で見た、1941年から1946年迄の5年間を
描いた映画「少年H」。

昭和初期の神戸。
洋服仕立て職人の父・盛夫(水谷豊)、
キリスト教徒の母・敏子(伊藤蘭)、妹の好子(花田優里音)と
四人家族で仲良く暮らす肇(吉岡竜輝)は、
胸にイニシャル「H」が入ったセーターを着ていることから
エッチというあだ名が付いていた。
好奇心旺盛で曲がったことが嫌いな肇だった。

盛夫は外国人の顧客を多く持っていたが、
彼らは戦争が近づくと次々と帰国。
そして彼はスパイ容疑で連行され厳しい尋問を受けるのだった。
彼が怪我をしながら帰宅して息子に言う。
「何を我慢しているかはっきり知っていたら我慢できる。
戦争はいつか終わる。
その時恥ずかしい人間になっていたらあかんよ。」

中学に入ったHは軍事教練ばかりか、
好きな絵を描いた画集を持っていただけで
田森教官(原田泰造)から殴られたりして厳しい学校生活をおくる。
生活の為、父も仕立て屋を辞め、消防員になる。
母は隣組の班長に、妹は田舎に疎開していく。

ついに神戸も大空襲を受け焼け野原に、
しかし彼等は生き残り、焼け跡から商売道具のミシンを掘り出して
修理し新しい一歩を踏む出す。
ミシンを修理し終わった時に盛夫が息子に言う。
「この国を立て直すんはあんたらやで。」

平和な今だから、考えさせられる映画でした。
当時の神戸の街並みや家族の日常生活の風景も懐かしかった。
水谷豊と伊藤蘭夫妻の共演も良かったです。
監督は降旗康男。

ついでに2001年7月に読んだ読後感想も付け加えておきます。

「少年H」がフィクションかノンフィクションかと問われれば
私にはフィクションと答えます。
どちらにしろ、
この本はH少年が家族、友人、親戚、近所の人達と
自分の住んでいる神戸という街を場所として、
戦争という過酷な出来事を通じて、
どのようにして幼年から少年と成長していったのか
ドキュメンタリー風にまとめたものです。

子供は誰でも自分一人で成長したと思っています。
そうではありません、
お父さん、お母さんが
一生懸命子供の面倒をみて巣立ちするまで見守っています。

H少年も、彼の母や父がキリスト教を拠り所として生きているのに
理解しながらも、どちらかというと反発しています。
しかし、いつも心の何処かに親の愛情を感じ、
感謝の気持を忘れてはいません。
(私も両親に感謝の気持を持つようになったのは、
そう遠い昔ではありません。)

彼にとって、この辛い時代を乗切れたのは
両親の愛情と周囲の暖かい人間関係に加えて、
「絵を描く」ことが好きだったからです。
多分、この才能というか趣味というか、
「絵を描く」ことによって
苦しい時も悲しい時も又、楽しい時も彼が生きていく
支えになっています。
これがなければ、
彼の人生は途中で挫折していたかもしれません。

この本を読んでいて一番共感を覚えたところは、
彼が映画を好きだったことです。
私も子供の頃から映画が好きで、今でも大好きです。
昔の映画館は木の椅子で、
画面も白黒でいつもチラチラと雨が降っていましたが
「鞍馬天狗」「白馬童子」「笛吹き童子」など見たことを
懐かしく思い出します。
特に「ゴジラ」の第一作目も見た時の感動は今でも
忘れられません。
学校の講堂でも上映されるのも楽しみの一つでした。

と回顧に浸っているときりがありませんが。

この本はつらい、厳しい時代の回顧ですから、
ややもすると暗い内容になってしまいがちなのに、
作者は子供にも読んでもらう意図があるせいか、
どの章を見ても、緊迫したギリギリの文中でもどこか
ほっとする文章があり、深刻な気持にならず、
さらりと読むことが出来ました。
例えば、P131の焼夷弾の降る場面で、
>母親が裏庭に立っていて、
「消したわ。訓練と同じや!」と
>自慢げにいった。
のように、悲しい、辛い、厳しい中にも、どこかホッとする
文があるので、読むほうもホッとします。

まとめると、
この本を読めば、誰でも共感する文章が何処かにあります。
苦しい生活環境にあっても、理解有る優しい両親と妹。
(両親に比べて、妹に関する情報が少ないように思いますが)
人間誰も、一人では生きていけません、
家族、友人、仲間とか
共同体があって生きて行けるのだと、
普段は考えることがないのですが、
この本を読んで再認識しました。

P.S
そう言えば、このシニア・ナビもcommunityですね。



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