madamの絵手紙

北鎌倉散策 

2013年02月11日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し


北鎌倉は円覚寺、そこに国宝建造物の舎利殿はある。唐様式のその様は、周囲の山々の自然と一体化を成し、四季折々に変化する山景を映しては舎利殿の景観を形づくっている。そしてそれは、訪れる度に新しい感動を与えてくれるから不思議だ。すこ〜んっ!と抜けるような寒気と静寂、鎌倉を訪れるにはやはり冬のこの季節がいい。もう、何回ここに佇んだことになるのだろう? そして昨年は、長年探し続けていた懐かしい場所に偶然出くわすことができた。35年前、年始にここを訪れた年は、人生最良の年となった。なのに、それが鎌倉の何処だったのか思い出せず、ずっとずっと探し続けていた。ところがとうとう昨年そこに導かれることになった。いつものように円覚寺の境内を歩いていると、山路に急な長い階段を発見し、ちょっと登ってみようかと思ったのがきっかけだった。登って行くうちに、何となく見覚えがあるような懐かしい気分に! ひょっとして! 恐らく百段はあったであろう長い階段を一気に登り切ってみると、あっ、ここだ! そこには、大きな鐘楼と懐かしい茶屋が・・・!探して、探して、探し続けていたところに今日こうして辿り着けるとは! 嬉しさのあまり、思わず声を上げた。そして、心はいつしか35年の間の長い道のりを、まるでフィルムを巻き戻すかのように辿っていた。眼下に広がる鎌倉は山ノ内あたりの樹木や民家、そして遠くの山並みの向こうには、快晴の空にくっきりと浮かぶ富士の山。そう、あの時と同じ景色だ。その朝、出がけに見たテレビの番組で“老いの才覚”の作者曽野綾子が、「老いを生きるとは、孤独に耐えること」と云っていたが、この場の感動と妙に重なり合う、と思った事を今も覚えている。 今日も私のお決まりのコースとばかりに、長い階段を・・。昨年より足取りが軽くなったように思えたのは気のせいか? ところが今日は思わぬ強風、昨年のようにゆったりと感傷に耽るわけにはいかず、そうそうに下山、お陰でまたの機会を作ろうと思い立つ。ばっさ、ばさと高い杉木立から小枝が落ちてきて頭に突き刺さる。それもこの時期、この日ならではの風物詩と思い、境内を出る。道路を横切って暫く行くと、駆け込み寺で有名な東慶寺、いつもはここも参拝するのだが今日はスルー、お目当ては次なる明月院、と思いきや「金子みすゞ/山頭火の世界」の看板に目を奪われる。そこは小野田雪堂美術館、ちょっと奥まった入口、鎌倉ならではの風情ある佇まい、がらがらっと引き戸を引いて入ってみると、雪堂の味わいのある絵と書、食い入るように見つめていると、和服姿の上品なご婦人が、「あら、気づきませんですみません」と、とたんにBGMを流してくれた。抹茶付きの入館料、間もなく火毛氈が敷かれたベンチに腰掛け、お茶をいただこうとすると、「さあ、どうぞごゆっくり」と、即座に障子を開け放ってくれた。岩山肌の手前に広がる庭園、池には鯉が。何と贅沢な時の流れだろう。雪堂の「自画像」が気に入る。金子みすゞのこんな詞もいい。つもった雪上の雪 さむかろなつめたい月がさしている下の雪重かろな何百人も乗のせていて中の雪さみしかろな空も地べたもみえないで 思わずメモをとる。寒い冷たい雪、その気持ちになりきった優しさ溢れる詩!この場の雰囲気にぴったりとはまっていた。丁寧にお礼を云って、やがて明月院に。紫陽花寺で名を馳せる境内は、この時期、陽光に照らされる蝋梅が目に眩い。楽しみながら山門をくぐって行くと、左手に枯山水。右手が本堂。この本堂の縁側から眺める庭園が絶妙!山間を切り開いて遠くまで広がりをみせる景観は、円覚寺の舎利殿と甲乙つけ難い程の私のお気に入りの場所。今日は強風のため、丸窓からガラス越しの拝観。こうして切り取ってみるのもまた一興。さて、それから建長寺はスルー、一路、神奈川県立近代美術館別館へ。これもまた私のお決まりのルート。シニア料金でと申し出ると、年齢確認ができるものをと尋ねられる。うん、悪くはない気分、確認するまでもなくはなかったのだから、とひとりほくそ笑む。山口蓬春、片岡球子等の絵画を鑑賞する。球子の「足利尊氏の面構」は圧巻、歴史上の人物を取りあげた面構シリーズの一端らしい。実にユーモラスで親しみが湧く。館を出て暫く歩くともうそこは鶴岡八幡宮の境内の裏手になる。階段を上がると本堂前。眼下に参道を望むと、2年前に倒壊した大銀杏の大木跡が見られる。階段を降り立ち、左周りで源平池に、池の向こう側には牡丹庭苑が広がる。薦で覆われた見事な牡丹はその数、千本にも及ぶと聞いている。老朽化して今では通れなくなった太鼓橋を尻目に、鳥居をくぐり大通りに出る。鎌倉沿道に並ぶショップに立ち寄るのもまたもう一つの楽しみ。小町通りは、面白い小物や日用品を扱っているお店が沢山並ぶ。必ず私が入るお店は、アジアン系の小物を扱っているお店。今日も女体をかたどった木製の孫の手、流木で作ったフォトフレーム等に魅せられて購入。和らくという名の箸専門店では、2歳の誕生日を迎えた孫息子に名入りの箸と箸置をお土産に購入した。そうそうもう一つ、絶対欠かせないのが「鎌倉まめや」の豆、いつも沢山の人で賑わっている人気店。大好物の豆を子供たちにも自分にも買い込んでご満悦の私。鎌倉駅前まで辿り着いたので、コーヒーショップで一休み、湘南新宿ライン一本で池袋まで。快適、爽快の鎌倉一人旅はこうして明日への英気を養うには十分であった。すわ鎌倉! こんな言葉が脳裏に浮かぶ。さてさて、今時は何処に馳せ参じましょうや!  

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