「大文化祭2017」レポート
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 「えいげき倶楽部」とシニア・ナビのコラボイベント第4弾として、「大文化祭2017」が去る11月19日、神田の「ワテラスコモン」で開催されました。
 『男はつらいよ』や『釣りバカ日誌』をはじめとした松竹映画、日本の伝統芸能である歌舞伎、人気の韓国ドラマなど、幅広いジャンルの作品を放送しているCSチャンネル「衛星劇場」(J:COMなどのケーブルテレビ、インターネットのひかりTVなどで視聴可)が運営するシニア・ナビ公認サークル「えいげき倶楽部」のことはもう皆さんご存じですよね?
 その「えいげき倶楽部」とシニア・ナビとのコラボレーションによるイベントがスタートしたのは昨年から。第1弾「『男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け』上映会」が5月21日、第2弾「歌舞伎めぐりin江戸博」が7月23日、第3弾「秋のホームパーティin中目黒」が10月22日と、昨年は3回開催されました。
 そして今年に入り、5月27日には2017年としての第1弾、通算では4回目となる「『心に吹く風』舞台挨拶付特別試写会」を開催。第2弾・通算5回目の「仲野マリ先生に聞く 歌舞伎の“にほへと” 歌舞伎座ギャラリー見学」は7月22日、第3弾・通算6回目の「江戸歩きと落語のひととき」は9月30日に開催されています。
 つまり今回の「大文化祭2017」は、2017年としては第4弾ですが、昨年からの通算でいえば、じつに7回目を数えるイベントなんです。これもひとえに毎回参加してくださった大勢の皆さんのおかげ。ということで、今回はこれまでの集大成ともいえる一大イベントとなりました。
 テーマはずばり、「ワークショップ」。人は年齢に関係なく、いくつになっても“知りたい”“学びたい”そして“知り合いたい”という気持ちを抱いています。そんな気持ちを大切にし、日頃やってみたい、学んでみたい、と思っていることをできるだけ叶えられる場=ワークショップをご提供し、学生時代に戻ったような気分になって楽しもう、というメンバー参加型のエンタテインメントイベント。「大文化祭」というタイトルにも、学生時代を思い出してほしい、という意味が込められています。はてさて、皆さん、若かりし学生の頃を思い出していただけたでしょうか。では、当日の様子をレポートしてみましょう。

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「大文化祭2017」レポート  「大文化祭2017」の会場となったのは、神田淡路町にある「ワテラスコモン」。1回にサロン、2階にギャラリー、3階にホールを備えたコミュニティ施設で、常時さまざまな地域交流イベントや各種の講座などが行われています。テラス席のあるレストランもあり、外に公園のようなスペースも広がっていて、お買いものやお散歩の途中に立ち寄りたくなるような、憩いの場にもなっています。アクセスも東京メトロ千代田線「新御茶ノ水」駅から徒歩約2分、東京メトロ丸ノ内線「淡路町」駅からも徒歩約2分、JRだと「御茶ノ水」駅から徒歩約3分と、大変便利。
 そんな「ワテラスコモン」を今回はなんと、1階のサロンも2階のギャラリーも3階のホールも、ぜ〜んぶシニア・ナビと「えいげき倶楽部」で貸切! いやぁ、贅沢ですねえ。アートが香る文化的な施設をメンバーで独占して行われた「大文化祭2017」でした。

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「大文化祭2017」レポート  ではここで、各階ごとに行われたワークショップをざっとタイムテーブルに従って紹介していきましょう。まず1階サロンでは、10時から「話題のベアフット入門 ワラーチ作りワークショップ」を開催。ワラーチとは、メキシコの「走る民」と呼ばれるタラウマラ族が古タイヤから手作りしたというサンダルのこと。ほぼ裸足(=ベアフット)のような感覚で走れることで、足腰の怪我や故障が少なくなり、健康にも良いということで、近年日本でも人気が高まっているそうです。当日は古タイヤの代わりにビブラムソールという市販のゴム板を用い、参加者それぞれが自分の足にぴったりと合うワラーチを作りました。そしてワークショップ終了後も、そのワラーチを履いたまま会場を闊歩している方が何人か見受けられました。皆さん相当気に入られたんでしょうね。
 続いて12時からは、「専門家の目で見た、老人ホームの選び方」。今回のイベントに協賛していただいた「ウィルホームコンサルプラザ」の専門スタッフが講師となって、専門家の立場から老人ホームの選び方を伝授。また、老人ホームにまつわる色々な疑問に一つひとつ丁寧に答えてくださいました。シニア・ナビのメンバーはアクティブな方々が多いとはいえ、年齢的にはやはり老人ホームが気になるお年頃。そこでこうしたワークショップが行われることは大変意義があると言えます。参加された方々からもこぞって「参考になった」「参加してよかった」といった声をいただきました。
 そして14時から開催されたのが、「ソバ打ち体験教室 打って、延ばして、食して楽しむ!」です。江戸蕎麦通を養成する「江戸ソバリエ認定講座」を卒業すると与えられる「江戸ソバリエ」の称号を持つ方々を講師に迎え、実際にソバ打ちを体験し、打ったソバをその場で茹でて、試食もできるワークショップ。講師の人数が多いので、時間によってはほぼマンツーマンで教えてもらえるところが他とは違う魅力です。「ワテラスコモン」がある神田は、「かんだやぶそば」をはじめソバの名店が数多くひしめきあうソバのメッカ。そこで本物の江戸蕎麦を自分で打つなんて、ソバ好きにとっては夢のようですよね。さてさて、自分で打ったソバの味はいかがだったでしょうか?

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「大文化祭2017」レポート  お次は2階のギャラリー。ここでは9時半から「吉田悦花の楽しく学ぶ、俳句散歩」、11時半から「初めてでも上手に描けるパステル画」、13時半から「スマホでも役立つ『たて世界と余白』〜日本絵画に学ぶ構図テクニック」、そして15時から「折り紙でお・も・て・な・し〜古き良き日本の伝統に親しむ〜」と、いずれも内容充実のワークショップが4つも開催されました。それぞれ大盛況の様子でしたが、その一つひとつを詳細にレポートするのはとても字数が足りないので、駆け足でのご紹介になりますことをお許しください。
 「俳句散歩」では、最初に俳句の心得などを学んだ後、外に出て会場周辺を散歩。俳句を詠むための散歩を「吟行」というそうで、皆さんご一緒に吟行というわけです。素敵ですね。そしてギャラリーに戻り、意見交換を楽しむ句会、最後に吉田悦花先生の選句と講評。最近テレビ番組でも取り上げられたりして俳句がブームのようですが、なかなか気軽に学べる場って、そうはないですよね。きっと良い機会になったことでしょう。
 「パステル画」は、ハプスブルグ芸術友好協会宮廷芸術会員の常井貴子さんを講師に迎え、事務局で用意したパステルを使って、自分だけのオリジナル作品を制作。完成した作品を見せてもらうと、まるでプロが描いたような素晴らしい出来映えなのですが、それがまったくの初心者でもびっくりするほど簡単に描けちゃうそうなんです。いや、これはやってみたくなりますよね。自分で描いた作品を額に入れて持ち帰ることができるのもいいですね。記念になるオリジナルパステル画をゲットした参加者の皆さん、うらやましいです。
 「スマホでも役立つ〜」の講師は、プロカメラマンの四位雅文さん。じつはこの方、第6回「江戸歩きと落語のひととき」のイベントで動画を撮っています。その動画はシニア・ナビのホームページのイベントレポートにアップされていますから、興味がある方はチェックしてみてください。さすがプロの完成度です。その四位さんが日本古来の掛け軸や色紙、浮世絵などを手本にスマホで撮影する際の構図の作り方をアドバイス。また、映画やドラマなどでよく使われる印象的な画面作りのアイディアなども教えてくれました。ご自身の豊富な経験をもとにしたわかりやすい説明で、スマホでもちょっとした工夫で驚くほど違う素敵な写真が撮れることを体感。終了後は自由に界隈を撮影し、撮影後にまた四位さんがアドバイスをくれます。この場でスマホの名カメラマンが何人も誕生したようですよ。撮った写真をぜひ、シニア・ナビのホームページに投稿していただきたいものです。
 最後の「折り紙」では、はじめに四角基礎折りや三角基礎折りをしっかり学んだ後、加藤幸吉先生オリジナル・テキストをもとに先生オリジナルな創作折り紙に挑戦。ここでも、初心者とは思えない立派な折り紙作品が多々誕生したようです。日本の伝統文化である折り紙もまた、興味はあっても実際に学べる場はなかなか少ないと思われますから、ここも貴重な機会となったに違いありません。紙一枚からさまざまなものをつくれる折り紙が上手な人って、カッコいいですよね。

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「大文化祭2017」レポート  では、いよいよ3階ホールへと参りましょう。このホールで開催された「映画試写会」「落語」「歌舞伎講座」の豪華3本立てが今回のメインイベントといえます。ホールイベントのスタートを飾るのが、“作家主義”ד俳優発掘”をテーマとした「松竹ブロードキャスティング・オリジナル映画プロジェクト」第5弾『ピンカートンに会いにいく』(2018年1月20日新宿武蔵野館ほか全国順次公開)の特別試写会です。
 この作品は、かつてブレイク寸前で突然解散してしまった伝説の5人組アイドルグループ「ピンカートン」が、20年を経て再結成をめざすお話です。「ピンカートン」の元リーダーで、解散後もずっと売れない女優を続けていた優子。最初はレコード会社の松本と名乗る男からの「ピンカートン再結成」の誘いをけんもほろろに断るが、所属事務所をクビになり、崖っぷちに追い込まれたことで、再起をかけて松本と一緒に元メンバーに会いにいく。しかし、すでに芸能界を去っていた3人のメンバーの返事はつれない。さらに、グループで一番人気だった葵の行方は杳として知れず。なんとか伝を辿り、葵を探して奔走する優子と松本。そしてようやく探し当てた葵に対する優子の複雑な想い。果たして、「ピンカートン」の再結成は――。
 上映終了後は、これも同イベントの特典として、坂下雄一郎監督を招いてのトークショーです。司会は過去のイベントでも何度かご登場いただいている元「キネマ旬報」編集長の関口裕子さん。トークの内容は、この作品を撮ろうと思ったきっかけから、キャスティングやオリジナルの脚本について、また、どんな作品にインスパイアされたか、などなど、映画好きなら興味津々のお話が展開されました。
 とくにキャスティングについては、大人になった「ピンカートン」のメンバーのアイドル時代は別の子役が演じますから、つまり大人の役者と子役の2人で同一人物の現在と過去を演じるわけですが、これが違和感なくハマっていて感心させられます。そのことを関口さんが指摘すると、監督は、まず大人の役者を決め、その役者の若い頃のイメージに近い子役をオーディションで選んでいった、というようなお話をしてくれました。『ピンカートンに会いにいく』は来年1月20日新宿武蔵野館を皮切りに全国順次公開をするようなので、今回残念ながらみられなかった!という方は、仲のいいお友達と劇場に足を運んでみてはいかがでしょうか?観て後悔はしない作品だと思いますよ。

映画『ピンカートンに会いにいく』公式ホームページ:http://www.pinkerton-movie.com/

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「大文化祭2017」レポート  続いて3階ホールで開催されたのが「落語」。題して「三遊亭 司師匠が実演指南!落語の聴き方、活かし方」です。落語には枕がつきものですよね。通常の落語会であれば、枕は時事ネタであったり、その会場や聴衆をネタにしたものであったりすることが多いのですが、今回はあえて、その枕の中で落語の聴き方や活かし方を三遊亭 司師匠に実演指南していだだこう、というもの。たとえば高座に上がるときの仕草について、高座に置いてある座布団や扇子などについて、それぞれにどんな意味合いがあるかといった、落語の初心者にとってはまたとない貴重なお話が枕として語られました。落語で2人の人物の台詞を語り分ける際、目上の人は下手へ向かって、目下の人は逆に上手に向かって話すという決まりごとがあるなんて、知ってました? こうした初めて聞くお話が満載です。また、その語り口はさすがの真打。ぐいぐい惹きつけられているうちに本番の噺に突入です。そのお題といえば――おっと、落語でネタばらしは粋じゃありませんので、これにて失礼つかまつる、テンテケン。

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「大文化祭2017」レポート  そして大とりは「仲野マリ先生に聞く歌舞伎の“ちりぬるを”」。そのタイトルだけでピンときた方もいらっしゃることでしょう。昨年江戸博物館で行われた「仲野マリ先生に聞く歌舞伎の“いろは”」、今年開催された「仲野マリ先生に聞く歌舞伎の“にほへと”」に続く第3弾です。続けて読むと“いろはにほへとちりぬるを”。というわけで、このコラボイベントではもうすっかりお馴染みのエンタメ水先案内人のライター・仲野マリ先生による歌舞伎講座。今回のテーマは、衛星劇場で12月に放送予定の『松寿操り三番叟』。
 『松寿操り三番叟』とは、簡単に言えば、人形を操って見せる歌舞伎ですが、本物の人形を使うわけではなく、人形を生身の役者が演じるというもの。人形役の人間とは思えない動き、そして操者と人形役とが見えない糸でつながれたような、ピタリと息の合った芝居が見どころです。そうした魅力について、あるいは歌舞伎初心者でも楽しめるようなちょっとした知恵などを仲野先生からお話いただいた後、実際に『松寿操り三番叟』を映像で鑑賞しました。映画の試写会もできるホールでの上映ですから、まるで本物の歌舞伎を見ているかのような臨場感です。この講座も、前の「映画試写会」「落語」と同様、「来てよかった」「参加して得した」と思ってもらえるような内容でした。「仲野先生のお話を聴いて、実際の歌舞伎を見に行きたくなりました」という方もたくさんいらっしゃいました。

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「大文化祭2017」レポート  3階ホールで「映画試写会」「落語」「歌舞伎講座」の三大イベントが終了した後は、お待ちかねの「大交流会」です。今日一日、色々な教室で学んで、散歩して、ソバを打って、映画を見て、落語を聴いて、思いっきり楽しまれた皆さんが最後に3階ホールに集まって、飲んで、食べて、交流を楽しみました。この交流会の盛り上がりもいつもの通りなのですが、あえて過去と違った点を挙げますと、それまでに各教室で学んだことをお互いに披露しあっていらっしゃる様子があちこちで見受けられました。とくにパステル画は人に見せるのにいいですよね。パステル画教室の講師を務められた常井貴子先生も参加されていましたので、ここでも作品を見せ合い、パステル画の話に花が咲いていました。また、歌舞伎の仲野マリ先生もいつものように交流会にも参加。メンバーの中には仲野先生の講座はすべて参加していて、交流会で仲野先生と直接話ができることを楽しみにされている方が何人もおられます。このように、講師の方々との距離が近いのもこのコラボイベントの特長の1つ。そのことを皆さんよくわかっていらっしゃるのは、主催者側にとってもうれしいことです。
 さらに、交流会の最後にはサプライズが。「大文化祭」の名にふさわしく、学生時代を思い出そう、ということで、皆でフォークダンスを踊ったのです。曲はあのオクラホマミキサー。誰もがかつて一度は踊ったことがあるに違いない懐かしのメロディーに合わせて、男女が手を取り合って、軽やか、とはなかなかいきませんが、危ういながらもなんとかステップを踏んで、踊りました。それでも、最初こそ皆さんぎこちなかったものの、踊るうちに少しずつ昔を思い出してきたようで、結構さまになっていましたよ。いやあ、いいですねえ、たまにはこういう催しも。
 そして最後の最後、締めに皆で「青春時代」を大合唱しました。青春時代が夢なんて、後からほのぼの思うもの。まさにほのぼのと青春時代を思う年代になった皆さんが声を合わせて歌う「青春時代」は、なんだかちょっと感動さえしてしまいました。ダンスや合唱なんて、気恥ずかしい、と思うかもしれませんが、やってみると、意外にいいものだなあ、としみじみ思いました。皆さんもオフ会などの最後の締めに、ぜひ一度やってみることをおすすめします。
 以上、「えいげき倶楽部」×シニア・ナビコラボイベント「大文化祭2017」のレポートでした。

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「大文化祭2017」レポート  いかかでしょうか。ご覧頂いたとおり「大文化祭2017」は大盛況で幕を閉じました。
 今後のイベント情報などはサークル「えいげき倶楽部」にてお知らせいたしますので、まだサークルに参加されていない方はぜひご参加ください!
 また、「えいげき倶楽部」はイベント情報だけでなく、サークル参加者への豪華商品が当たるプレゼント企画も開催しております。この機会にぜひサークルに参加してみてはいかがでしょうか。 サークルを通じて「衛星劇場(えいげき倶楽部)」が繰り広げる様々なエンタテインメントをみんなで一緒に楽しみましょう!
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