仲野マリ先生に聞く歌舞伎の“にほへと”&歌舞伎座ギャラリー見学」レポート
仲野マリ先生に聞く歌舞伎の“にほへと”&歌舞伎座ギャラリー見学」レポート

 シニア・ナビ事務局の公認サークル「えいげき倶楽部」の企画協力によるコラボイベントの第2弾「仲野マリ先生に聞く歌舞伎の“にほへと”&歌舞伎座ギャラリー見学(交流会付)」が去る7月22日、東京・銀座で開催されました。
 「えいげき倶楽部」を運営しているのは、「男はつらいよ」、「釣りバカ日誌」をはじめとした松竹映画や、日本の伝統芸能である歌舞伎、人気の韓国ドラマなど幅広いジャンルの作品を放送しているCSチャンネル「衛星劇場」。衛星放送のスカパー!やJ:COMほか、全国のCATV(ケーブルテレビ)などで「衛星劇場」は視聴できます。
 その「衛星劇場」が運営するシニア・ナビ公認サークル「えいげき倶楽部」は、映画やドラマ、舞台、歌舞伎など、多彩なエンターテインメントを通じて参加者が楽しく交流する場となっています。
 と、まあ、もしかしたらまだご存知ない方がいるかもしれないので一応説明しましたが、いつもこのホームページをご覧いただいている皆さんはとっくにご存じですよね?「えいげき倶楽部」×シニア・ナビのコラボイベントは、昨年5月21日、松竹本社試写室で開催された第1回『「男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け」上映会&交流会』を皮切りに、7月23日には第2回「歌舞伎めぐりin江戸博」(江戸東京博物館)、10月22日は第3回「秋のホームパーティin中目黒」(中目黒Camarada)と、昨2016年は3回の開催。そして今年5月27日にも2017年としては1回目、通算では4回目となる『「心に吹く風」舞台挨拶付特別試写会&交流会』(松竹本社試写室)が開催されました。
 つまり、今回のコラボイベントは2017年としては第2弾ですが、昨年からの通算でいえば5回目というわけで、これはもう、すっかり恒例のイベントと言っていいんじゃないでしょうか。
 ついでに先の話をしますと、2017年の第3回(通算6回目)は9月30日(土)「下谷で落語&街歩き」、第4回(通算7回目)は11月19日(日)「シニア・ナビ大文化祭」とすでに予定が決まっていますから、まだ参加したことがない人は次回以降にぜひ、万難を排してご参加ください。

仲野マリ先生に聞く歌舞伎の“にほへと”&歌舞伎座ギャラリー見学」レポート

仲野マリ先生に聞く歌舞伎の“にほへと”&歌舞伎座ギャラリー見学」レポート  前置きが長くなりました。では、当日のコラボイベントのレポートへと参りましょう。今回は3部構成で、第1部が仲野マリ先生による「歌舞伎の“にほへと”」。会場は銀座にある「銀座フォーラム」。第2部は、歌舞伎座タワー5階にある「歌舞伎ギャラリー」の見学。そして第3部は歌舞伎座近くにある「つぼ八 銀座本店」で恒例の交流会を行ないました。
 と、いまさらっと、第1部は仲野先生による「歌舞伎の“にほへと”」と述べましたが、ん? “にほへと”ってナンだ??? と思われた方もいらっしゃることでしょう。でも、昨年の第2回「歌舞伎めぐりin江戸博」に参加して仲野先生の講義を聞かれた方ならピンときますよね。そのときの講座が「歌舞伎の“いろは”」だったので、今回はその続き、というか、その一歩先の“にほへと”というわけです。講義のタイトルまでそれらしくていいですね。
 参加者は、これまでのシニア・ナビの単独のイベントとしてはトップクラスの人数と思われる、全48名。やっぱり歌舞伎に興味を持っておられる方は意外に多いんですねえ。
 その内容はといえば、まずは「屋号って何ですか?」というところから講義は始まりました。屋号って、たとえば、「成田屋!」とか、「音羽屋!」とか、歌舞伎を見ていると観客から声がかかる(これを「大向う」というそうです)のをご存知でしょう。その「成田屋」や「音羽屋」などを屋号というんですが、これが何を表すのか、その成り立ちから解説。この「屋号」を理解することで歌舞伎の見方がさらに深くなるんです。
 歌舞伎のはじまりは出雲の阿国とされていて、時代でいうと1600年頃。その当時は「屋号」なんてものはありませんでした。では、いつ頃、どんな理由で「屋号」ができたのか。それは1708年の元禄時代、はじまりは「成田屋」だと言われています。そしてなぜ「屋号」ができたのかというと、その理由は……と、いったお話です。ね、面白そうでしょ。
 続けて、「屋号」を示すさまざまな「家紋」もスライドで紹介。成田屋の家紋は「三升(みます)」で、澤瀉屋の市川段四郎の紋は、成田屋を表す三升の中に段の字があることから、成田屋に縁が深い名跡ということがわかる、といったお話は初心者には大変興味深く、また、誰でも知っている有名な歌舞伎役者の名前もたくさん挙げられたので、飽きるということがありません。
 たとえば、歌舞伎界ではこのところ「襲名」ラッシュが続いていますが、「襲名」って、親から子へ、というような血のつながりばかりとは限らないんですね。「屋号」を守るために血縁関係がない人が「襲名」する場合もあるんだそうです。そんなこと、歌舞伎に詳しい人なら当たり前のことでも、初心者にとっては「へ〜、そうなんだ」と思いますよね。そんな「へ〜」や「なるほど!」が満載の仲野先生の講義。後で皆さんの感想を伺ったら、「わかりやすくてよかった」という声が多数だったのはもちろんですが、その次に多かったのが、「時間が足りなかった。もっと聞きたかった」という声。これはもう、次回、“にほへと”の続きの“ちりぬる”をやらなくちゃいけないでしょう。仲野先生、次も期待してます。

仲野マリ先生に聞く歌舞伎の“にほへと”&歌舞伎座ギャラリー見学」レポート

仲野マリ先生に聞く歌舞伎の“にほへと”&歌舞伎座ギャラリー見学」レポート  第1部の講義終了後はいったん外へ出て、歩いて2〜3分ほどの「歌舞伎座」へ。ご存知のように2010年に建て替えられた「歌舞伎座」の上部は高層タワーになっており、その歌舞伎座タワーの5階に「歌舞伎座ギャラリー」というものがあり、「体験空間 歌舞伎にタッチ!」という企画を開催中なのです。これは文字通り、歌舞伎で使われる道具や衣装、舞台などを実際に手で触れることができるというもので、歌舞伎を“しる、みる、ふれる、やってみる”ための体験空間となっています。これ、通常なら入場料600円ですが、この日の参加者は無料チケットでご招待。これだけでもお得なイベントです。
 中では、「実盛物語」などに登場する大きなお馬さんに乗って、ハイ、チーズ。あるいは、芝居に出てくる舟を漕いだり、駕籠に乗ったり、歌舞伎ならではの「花道」では「白浪五人男」よろしく、カブキモノになってみたり。道具を動かしたり、音を出したりできるものもあって、皆さん興味津々のご様子。大いに歌舞伎に触れて、大はしゃぎの方もいたりして、大変楽しい時間を過ごしました。
 また、会場内には複数のモニターが設置されており、実際の舞台映像を流している他、一番大きなスクリーンではちょうど昨年秋の中村橋之助改め中村芝翫親子襲名に因んだトークショー「寿成駒夜話」のアンコール上映が映し出されていて、襲名直前の芝翫本人とともに3人の息子が話をしている映像を、一通り遊んだ後で皆さんじっと食い入るように見つめていました。仲野先生の講義のテーマの1つが「襲名」だったので、タイムリーでしたね。
 そうして小1時間ほど、自由に歌舞伎ギャラリーを楽しんだ後、参加者全員が舞台の前に集まって、集合写真を撮って、第2部は終了となりました。


仲野マリ先生に聞く歌舞伎の“にほへと”&歌舞伎座ギャラリー見学」レポート

仲野マリ先生に聞く歌舞伎の“にほへと”&歌舞伎座ギャラリー見学」レポート  「歌舞伎座ギャラリー」を出ると、歩いて銀座五丁目まで戻り、居酒屋「つぼ八 銀座本店」でお待ちかねの交流会。この日も、うだるような猛暑の中、皆さん文句一つ言わずに炎天下の銀座の街を歩いてくださってありがとうございました。参加者は歌舞伎座ギャラリーまでで帰った方もおられて、全27名。仲野先生も一緒です。
 お店に入ったら、後はもう、いつもの通り、ではなくて、今回は仲野先生と「えいげき倶楽部」のスタッフのジンパチさんが作成したクイズを出題。答案用紙を皆さんにお配りして、その場で解答を書いてもらいました。その様子はまるで試験のよう。皆さん結構真剣に解かれていましたね。 それが終われば、すぐさまいつものシニア・ナビ交流会に突入。飲み物が運ばれてきたら、全体での乾杯を待たず、各々がフライングで勝手に乾杯!をはじめちゃうところもいつも通り。でも、この日ばかりは、冷たい生ビールが目の前にあったら我慢できない気持ちはわかります。歩いて汗をかいた後の生ビール、最高です。
 そうやってひとしきり、いつものように食べて飲んで、はじめての人同士でも大いに話が盛り上がったところで、クイズの成績発表。皆さんが盛り上がっている間、別室で「えいげき倶楽部」スタッフが急いで添削しました。赤ペン先生になるスタッフの皆さん、ご苦労様でした。
 クイズは全問3択式で、前半は仲野先生による、「来年の高麗屋三代襲名で市川染五郎になるのは? @松本金太郎 A市川金太郎 B市川高麗蔵」などといった問題。後半はジンパチさんによる「今も使う『差し金』という言葉の由来とも言われている道具で操られていた展示物は? @チョウ Aトンボ Bセミ」というような問題、合わせて10問。
 というわけで、クイズの成績発表です。残念ながら満点はおらず、90点が2名、80点が2名でした。見事90点を獲得した「サーちゃん」さんと「emi」さんは、じゃんけんをして、買ったさーちゃんさんには「二十四節気」のくまどりデザインのスマホケース、emiさんには同じくくまどりデザインのポーチが贈られました。
「サーちゃん」さんは、今回はじめての参加でプレゼントをゲット。「歌舞伎のことを色々と知ることができてうれしくて、またこうして皆さんと楽しくお話ができてとてもよかったと思っていましたが、そのうえにプレゼントまで貰えて感激です」と、少し興奮気味に感想を語ってくれました。またemiさんは、「歌舞伎座が新しくなってからはまだ行ってなかったので、今回行くことができてよかったです」とのこと。そして80点を獲得した「tsubasa」さんと「佳代子」さんにはカードケースが贈られました。
 その他の皆さんから頂いた感想をご紹介します。
「この会費でこれだけの内容は素晴らしい。先生には申し訳ないぐらい」(ミモザさん)、「最高、素敵、ありがとう!」(にしあふりかさん)、「先生がいろんなことを初心者のレベルで、丁寧に話してくれるので、興味深く聞けた」(JINさん)、「歌舞伎はいつも4階で見ています。花道は見えないけど、宙吊りは近くで見えるからおすすめですよ。先生の話は大向うの勉強にもなってよかったです」(さいてるさん)、「また歌舞伎を見たくなった」(さじさいさん)、「先生には今度、4000円で観劇ツアーをやってほしい、と言いました」(デビットさん)。
 今回も大盛況の様子が皆さんに少しでも伝わってくれれば幸いです。ちなみに交流会の終了後は、同じビル内にあるカラオケに流れた方が多くいらっしゃったことも付け加えておきます。
最後に、仲野マリ先生が歌舞伎についての書籍を出されましたのでご紹介いたします。
書籍「恋と歌舞伎と女の事情」(東海教育研究所)9月12日発行予定。
現在、ウェブマガジンとして一部先行連載中。詳しくはこちら

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仲野マリ先生に聞く歌舞伎の“にほへと”&歌舞伎座ギャラリー見学」レポート  いかかでしょうか。ご覧頂いたとおり「仲野マリ先生に聞く歌舞伎の“にほへと”&歌舞伎座ギャラリー見学(交流会付)」は大盛況で幕を閉じました。
 今後も「えいげき倶楽部」とコラボしてイベントを開催していく予定となっておりますので、まだ参加されたことのない方はぜひご参加ください!
 また、「えいげき倶楽部」はシニア・ナビのサークルでも活動を行っています。全国のメンバーが参加できるイベントを定期的に開催しており、参加者には抽選で豪華商品もプレゼントしていますので、この機会にぜひサークルに加入してみてはいかがでしょうか。 サークルを通じて「衛星劇場」が繰り広げる様々なエンターテインメントをみんなで一緒に楽しみましょう!
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